回転コンベヤによるトレーラ伴走式キャベツ機械収穫の効率化
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要約
トレーラ伴走式のキャベツ機械収穫において、回転コンベヤを用いることにより、トレーラ上の作業者は調製・箱詰作業を一定のペースで行うことができ、キャベツの処理速度を4.1秒/球から3.3秒/球へと向上することができる。これにより直進時の作業速度は秒速12.0cmから13.5cmに高速化でき、経済性も向上する。
- キーワード:畑作経営、キャベツ、トレーラ伴走式機械収穫、回転コンベヤ
- 担当:北海道農研・総合研究部・農村システム研究室・総合研究第2チーム
- 連絡先:電話011-857-9309、電子メールamanot@affrc.go.jp
- 区分:北海道農業・総合研究、共通基盤・総合研究
- 分類:技術・ 参考
背景・ねらい
北海道の畑作経営で利用可能なキャベツ機械収穫方式としてトレーラ伴走式機械収穫体系を開発したが、その広範な利用のためには一層の作業能率の向上が求められている。そこで、作業能率を規定しているトレーラ上の調製・箱詰作業の効率化のため、回転コンベヤを作成し、3人組作業による農家の実作業規模での実証を行った。
成果の内容・特徴
- 試作したキャベツ収穫機に伴走する調製搬出用トレーラ(平成14年度、技術・普及)に長さ3.5m、幅1.1mの回転コンベヤを装備することにより、トレーラ上に移送されたキャベツを順次作業者手元に搬送・循環させた(図1)。コンベヤ面には特殊形状の板を取り付けており、これによりキャベツを円滑に搬送することができる。また、回転コンベヤを含むトレーラ上の駆動機器の操作系はトレーラ上の一定箇所に集中させている。
- 直線ラインのローラコンベヤを用いた2003年度におけるトレーラ上のキャベツ球の処理速度は4.12s/球であった。回転コンベヤを搭載することにより、キャベツ球の取り出しや横送り作業が解消されて作業者は一定のペースで作業ができるようになり、3.34s/球と作業能率の向上を図ることができ、収穫機の作業速度も高速化できる(表1,図2)。現地実証試験を通じて調製作業の容易性などの取扱性及び作業姿勢・負担軽減の観点から作業者の評価が高かった。
- 改良により作業速度の12cm/sから13.5cm/sへの向上が期待できる。この効果に関する試算を行った結果、経営耕地面積20~30haの畑作+キャベツ作経営で、14~23a程度のキャベツ作の拡大が可能となり、回転コンベヤ等の改造費用が100万円以下程度であれば、経済性を有する(表2)。
成果の活用面・留意点
- 回転コンベヤ部分の試作には80万円を要したが、鋼材の選定などを検討することにより安価での製造が可能と考えられる。
- 回転コンベアの仕様を提供することができる。
具体的データ




その他
- 研究課題名:大規模畑作地域におけるキャベツ収穫機の効率的利用方式
- 課題ID:04-01-03-*-09-04
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2004~2005年度
- 研究担当者:天野哲郎、小島 誠、八谷満(生研センター)、大津英子、石田茂樹