カラフルポテトの新顔(2)紫肉の新品種「シャドークイーン(旧系統名 北海92号)」
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要約
ばれいしょ「シャドークイーン」は、紫肉の既存品種「キタムラサキ」および「インカパープル」に比べ、アントシアニン色素を約3倍含有し、肉色は濃い紫である。
- キーワード:ジャガイモ、アントシアニン、紫肉
- 担当:北海道農研・畑作研究部・ばれいしょ育種研究室
- 連絡先:電話0155-62-9272、電子メールmtmori@naro.affrc.go.jp
- 区分:北海道農業・作物、作物・夏畑作物
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
近年、アントシアニン色素を含む赤∼紫肉のカラフルポテトを開発し、ばれいしょ市場の活性化と新規需要の開拓を狙った取組がすすめられている。また色素の
機能性成分が注目され、ばれいしょアントシアニン色素についても高い機能性を持つことが明らかになった。紫肉のカラフルポテトとして「インカパープル」お
よび「キタムラサキ」を育成したが、飲料や乾燥粉末の用途などとして実需現場からさらに色素含量の高い紫肉の品種が求められている。
成果の内容・特徴
- 「シャドークイーン」は、紫肉品種「キタムラサキ」の開放受粉種子より選抜された。
- 「キタムラサキ」および「インカパープル」より濃い紫肉をしており、アントシアニン色素(主要成分:ペタニン)は約3倍に相当する(表1、図1)。
- 「キタムラサキ」と同様に内部異常が無い(表1)。
- 「インカパープル」に比べ、収量は多くでん粉価はやや低い。「キタムラサキ」に比べ収量は少なく、でん粉価は同等である(表2)。
- 用途は調理用で、「キタムラサキ」および「インカパープル」に比べ食味が良く、チップとフライの褐変は少ない(表3)。
成果の活用面・留意点
- サラダなどの加工や乾燥粉末製造において、色素濃度の高い副原料として供給するこ とにより、製品の色を安定させることができる。
- ジャガイモシストセンチュウ抵抗性がないため、汚染地での栽培は避ける。
- 紫皮のため緑化等の見分けが難しいので、十分な培土と培土を崩さない様な管理作業 を行い、緑化させないように注意する。
- 北海道の地域在来品種等として認定されており、十勝地域で種いもの生産が行われ、100haの普及が見込まれる。
平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ばれいしょ地域在来品種等の特性」 指導参考
具体的データ




その他
- 研究課題名:
ばれいしょ高品質優良品種の育成
- 課題ID:
04-03-02-03-13-05
- 予算区分:
交付金
- 研究期間:
1993,1997∼2005年度
- 研究担当者:
森 元幸、高田明子、小林 晃、津田昌吾、高田憲和、梅村芳樹、木村鉄也