寒地転換畑の大豆への根粒菌接種では菌液に浸した粒状資材の効果が高い
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
寒地の転換畑(灰色低地土)において根粒菌を効率よく感染させるには菌液を用いるよりも播種溝に粒状資材を接種する方法が有効である。
背景・ねらい
大豆への根粒菌接種では菌液の効果が高いと考えられている(平成19年度研究成果情報)。しかし、寒地転換畑(灰色低地土)では十分な効果が得られない場合がある。そこで、寒地転換畑において、菌液接種より効果が高い大豆根粒菌の接種法を見出す。
成果の内容・特徴
- 根粒菌の菌液接種の効果は土壌の種類によって大きく異なり、根粒着生数は川砂への接種に比べて畑土壌(黒ボク土)では約半分、転換畑土壌(灰色低地土)では1割程度となり、転換畑土壌では効果が劣る(表1)。
- 転換畑土壌(灰色低地土)では種子粉衣剤や菌液を用いた接種によって根粒着生はほとんど認められないが、菌液に浸したパーライトをピートモスで被覆した粒状資材(図1)を用いた場合には土壌の種類にかかわらずに根粒着生が認められる(表2)。
- 寒地の転換畑土壌(灰色低地土)の圃場においても粒状資材を用いた根粒菌の接種では無接種や種子粉衣剤および菌液を用いた接種にくらべて根粒着生が向上する(表3)。
成果の活用面・留意点
具体的データ




その他
- 研究課題名:北海道地域における高生産性畑輪作システムの確立
- 中課題整理番号:211k.2
- 予算区分:基盤、委託プロ(加工)
- 研究期間:2006~2009年度
- 研究担当者:臼木一英、土田勝一(十勝農協連)