カボチャモザイクウイルスの複製酵素タンパク質のアミノ酸配列

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要約

わが国のウリ科作物に広く発生して被害を与えているカボチャモザイクウイルスの複製酵素遺伝子の塩基配列を解析し、そのウイルス複製酵素の517アミノ酸残基からなる一次構造を推定した。

  • 担当:九州農業試験場・地域基盤研究室・ウイスル病研究室
  • 連絡先:096-242-1150
  • 部会名:病害虫
  • 専門:作物病害
  • 対象:果菜類
  • 分類:研究

背景・ねらい

カボチャモザイクウイルス(WMV-2)は、わが国のキュウリ・メロン・カボチャなどのウリ科作物に広く発生して被害をあたえている。わが国で発生しているWMV-2の外被タンパク質遺伝子の塩基配列はすでに明らかにしたが、今回、WMV-2の複製酵素タンパク質遺伝子の塩基配列を決定して、そのアミノ酸配列を推定した。

成果の内容・特徴

  • WMV-2のRNAを鋳型として、ウイルス複製酵素遺伝子の両末端の配列からデザインした合成プライマーを用いてRT-PCRにより、複製酵素遺伝子cDNAを増幅してクローニングした。
  • こうして得られた遺伝子cDNAの塩基配列をダイデオキシ法によって決定した。
  • WMV-2の複製酵素遺伝子は、1,551塩基から構成されており、517個のアミノ酸残基をコードしていた(図1)。

成果の活用面・留意点

当該遺伝子cDNAをウリ科作物のゲノムに、形質転換によって導入して本ウイルスに対する抵抗性植物の作出に利用できる。また、本cDNAは、ウイルスの遺伝子診断に利用できる。

具体的データ

図1.カボチャモザイクウイルスの複製酵素タンパク質遺伝子の塩基配列から予想されるアミノ酸配列

 

その他

  • 研究課題名:高度複合ウイルス抵抗性メロンの作出
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成7年度(平成6~8年)
  • 発表論文等:平成8年度日本植物病理学会大会で発表予定