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雌牛の黄体中期に抗インヒビン血清を静脈注射することによって末梢血中卵胞刺激ホルモン濃度が上昇し、発情時に大型卵胞数(直径10mm以上)が用量反応的に増加し、排卵数も増加する。
素畜費低減の有効な技術として安定的な双子生産技術の確立が望まれている。そこで卵胞の発育を促進する卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制する主要な ホルモンであるインヒビンの作用を利用して抗インヒビン血清を投与する方法で内因性卵胞刺激ホルモンを上昇させて卵胞を発育させる新しい双胎誘起法の可能 性を検討した。
本実験に使用した抗血清は、精製した32kDaの牛インヒビンを抗原として去勢山羊を免疫して作成したもので9.6万倍の希釈倍率で添加した125I 標識インヒビンの50%に結合する免疫的力価を有している。雌牛の発情周期の12日目に抗インヒビン血清を静脈注射し、その48時間後にPG(クロプロス テノール0.5mg)を筋肉内投与した時のホルモン動態及び卵胞の発育状況を調査した。FSH濃度はRIA法で測定し、卵胞の発育はエコーカメラで観察し た。
図1 抗インヒビン血清投与後のインヒビンとの結合率の変化
図2 抗インヒビン血清投与後のFSH濃度の変化
表1 抗インヒビン血清投与後の発情時大型卵胞数(直径10mm以上)と排卵数