※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
とうもろこし育種素材の茎部の高消化性分画含量には著しい変異がある。その遺伝には一般組合せ能力が重要で、中間親とF1組合せの間には正の相関がある。また、高消化性分画含量と乾雌穂重割合との間には負の相関がある。
従来、サイレージ用とうもろこしでは乾雌穂重割合が高いほど栄養価が高いと考えられてきたが、最近、普及F1品種の茎葉消化性に顕著な品種間差異があることが判明した。また、茎葉消化性は着雌穂節直上節間の消化性と高い相関を示すことが明らかにされた。そこで、栄養価が高い品種を育成する上での基礎的情報を得るため、育種素材の茎部消化性の変異と遺伝を明らかにしようとした。
暖地向き育種母材改良集団、エリート自殖系統およびF1組合せの黄熟中期における着雌穂節直上節間の細胞内容物(OCC)および高消化性繊維(Oa)含量を酵素法で分析した。
表1 育種母材改良集団の茎部高消化性分画含量
表2 42エリート自殖系統の茎部高消化性分画含量
表3 茎部高消化性分画含量の組合せ能力についての分散分析表
図1 F1組合せとその中間親の茎部の(OCC+Oa)含量
図2 F1組合せに見られた茎部の(OCC+Oa)含量と乾雌穂重割合