水稲奨励品種決定基本調査データベースのUNIX系システムへの再構築
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要約
メインフレーム系に構築されてきた水稲奨励品種決定基本調査データベースをUNIX系上に再構築し、検索やパソコン用データ出力が簡単に行えるプログラムを開発した。
- 担当:九州農業試験場・企画連絡室・研究技術情報科
- 連絡先:096-242-1150
- 部会名:情報研究、情報研究
- 専門:情報処理
- 対象:水稲
- 分類:研究
背景・ねらい
水稲奨励品種決定基本調査データベース(水稲奨決データベース)は、農林水産技術会議筑波事務所研究計算センターのメインフレーム系上に1980年から構
築が開始された。本データベースは、毎年約6,000件のデータの蓄積が行われ、水稲新品種候補成績書の作成、交配母本や奨決試験供試材料の選択に利用さ
れてきた。しかし、品種名などの標記が半角カナのうえ検索などの操作が煩雑であり、度重なる機器やOSの更新にプログラムが対応できなくなっていた。さら
に、1996年にはメインフレーム系が廃止されるため、UNIX系への移行が迫られてきた。一方、二期作、早期作、普通期作と水稲の多様な作付けが可能な
九州地域では、九州地域以外で育成された品種や系統の情報も必要されており、水稲奨決データベースの簡便な利用を強く要望する県も多い。
成果の内容・特徴
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研究計算センターのセクションサーバーに導入されたUNIX系データベースソフトのinfomixを用い、1980~1995年の全国分約100,000件を収録している。
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このデータベースでは、インターネットでの文字化けを防ぐために、品種系統名などで用いられていた半角カナ文字は漢字などの全角文字に変換している。
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UNIX系表計算ソフトのWingzを用いて開発した検索プログラムは、九州、東北、関東などの地域内の奨決試験結果概要および評価一覧(図1および図2)、育成系統の配布先評価一覧(図3)といった検索をマウス一つの操作で行うことができる。
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また、検索プログラムでは、検索結果をパソコン用表計算ソフト(Lotus1-2-3、Excel)用ファイル形式に出力できるため、検索結果の加工を容易に行うことができる。
成果の活用面・留意点
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再構築した水稲奨決データベースを利用できるのは、計算センターに利用登録しており、さらには、水稲奨決データベースの管理者(農業研究センター稲育種研究室)から利用許可(パーミッション)を付与されている者に限られる。
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検索用プログラムを利用するためには、計算センターに接続可能で、WingzあるいはX端末エミュレーション機能が稼働するコンピュータが必要である。
具体的データ

図1 出力ファイル例(奨決試験結果の概要の一部)

図2 出力ファイル例(九州内の奨決評価一覧の一部)

図3 出力ファイル例(育成系統の配布先評価一覧)
その他
- 研究課題名:九州農業試験研究推進のための情報ネットワーク利用技術の高度化
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成8年度(平成4~9年)