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雌牛にリコンビナントのインヒビンα鎖を抗原として能動免疫することによってインヒビンに対する抗体価が上昇し、2回目の追加免疫後に複数排卵が誘起される。
九州地域には全国の肉牛の約30%が飼養されており、優良子牛の低コスト生産技術の開発が急がれている。雌牛における排卵数の調節は胚移植及び双胎誘起に必須の技術であるが、現在行われている体外から異種動物のFSH(卵胞刺激ホルモン)製剤を投与する方法では、卵巣反応の個体差が大きく連用によって卵巣の反応性が低下してくることが知られている。そこでFSH分泌を特異的に抑制するインヒビンの能動免疫によって内因性FSH分泌を上昇させる新しい排卵誘起法の有効性を検討した。
免疫にはリコンビナントのインヒビンα鎖を抗原として125μgを1発情周期間隔で投与した。抗原投与は発情開始後9日目に4頭の雌牛の筋肉内に行った。発情誘起のために18日目にPGF2α(クロプロステノール0.5mg)を投与した。対照牛(4頭)にはアジュバントのみ投与した。