とうもろこしF1 親自殖系統の耐倒伏性評価のための簡易検定法

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要約

引倒し力を用いた簡易検定法によりF1 系統の耐倒伏性を検定し、その一定 親平均値で親自殖系統の耐倒伏性についての遺伝的能力を評価することができる。 評価には8~9F1の 組合せが必要である。

  • 担当:九州農業試験場・畑地利用部・飼料作物育種研究室
  • 連絡先:0986-22-1506
  • 部会名:育種
  • 専門:育種
  • 対象:飼料作物類
  • 分類:研究

背景・ねらい

とうもろこしの耐倒伏性育種を効率的に進めるためには、その的確な検定法が不可欠である。そこで、F1 系統を対象に、引倒し力を用いた耐倒伏性の簡易検定法を開発したが、本検定法のF1 親自殖系統への適用性については明確でなかった。ここでは、本検定法を耐倒伏性について選抜されたエリート自殖系統の評価に適用するための方法を確立しようとした。

成果の内容・特徴

  • 自殖系統では、引倒し力による耐倒伏性評価値(HPR値:平成5年度成果情報)は倒伏個体率との相関が低く、本法により耐倒伏性を直接評価することはできない(表1)。
  • F1 系統のHPR値を調査し、その一定親F1 平均値によってF1 親としての自殖系統の耐倒伏性を評価することができる(表2)。
  • 検定に必要なF1 組合せの数は、各親自殖系統について、単年度の場合には9組合 せ、2か年の場合には各年次4組合せ、延べ8組合せ程度である(表2)、(図2)。

成果の活用面・留意点

  • F1 親自殖系統の転び型倒伏抵抗性についての遺伝的能力の評価と選抜に利用できる。

具体的データ

表1.自殖系統におけるHPR値と倒伏個体率との相関(n=13)

表2.一定親F1平均値についてのHPR値と倒伏個体率との相関(n=10)

図2.一定親F1平均値に用いた組合せ数の違いによるHPR値と倒伏個体率との相関係数の変化

その他

研究課題名:暖地向き飼料用トウモロコシの障害抵抗性育種法の開発
予算区分:経常
研究期間:平成9年度(平成元~10年)
研究担当者:濃沼圭一、池谷文夫、伊東栄作
発表論文等:引倒し力を用いたトウモロコシ耐倒伏性簡易検定法のF1 親自殖系統への適用、九州農業研究、60号(投稿中)、1998.