ギニアグラス乾草の栄養価及び嗜好性の品種・系統間差異

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要約

ギニアグラス九州6号,7号は既存4品種よりも1番草出穂期乾草の栄養価 (乾物消化率,TDN)及び嗜好性が優れている。一方、九州8号の栄養価はナツカ ゼあるいはナツユタカとほぼ等しく、嗜好性はガットン,グリーンパニックと同等である。

  • 担当:九州農業試験場・畜産部・栄養・飼料研究室
  • 連絡先:096-242-1150
  • 部会名:飼料利用
  • 専門:動物栄養
  • 対象:牧草類
  • 分類:研究

背景・ねらい

ギニアグラスは西南暖地で夏作牧草として、また、沖縄地域においては多年生牧草として利用されているが、消化性等の栄養価や家畜の嗜好性について問題点が指摘されている。そこで、九州農業試験場で新たに育成されたギニアグラス3系統と既存の4品種について、動物試験(山羊)によって1番草出穂期刈乾草の栄養価と嗜好性の品種・系統間差異を評価した。

成果の内容・特徴

  • 乾物消化率は九州7号,6号が約57%で最も高く、ついでガットンとグリーンパニックが約53%で、九州8号,ナツカゼ,ナツユタカがやや低く50%程度である(表1)。
  • TDN含量(DMあたり)は九州7号,6号が53%前後と最も高く、ついでガットン,グリーンパニックが49%前後で、九州8号,ナツカゼ,ナツユタカは46%前後とやや低い(図1)。
  • 3品種・系統毎のカフェテリア法による嗜好性は九州7号,6号が最も良く、ついでグリーンパニック,九州8号,ガットンが良く、ナツカゼ,ナツユタカは劣っている(表2)。

成果の活用面・留意点

  • ギニアグラスの品種特性データとして品種選定等に活用できる
  • 熊本において夏作牧草として栽培した1番草の出穂期刈乾草の結果であり、刈り取り時期・ステージ及び栽培条件・地域が大きく異なる場合には別途検討が必要。

具体的データ

表1.消化率及び成分含量の比較(%DM)

図1.TDN及び各可消化成分含量の比較

表2.品種・系統間の嗜好性の比較

その他

  • 研究課題名:選択採食性等による新規育成飼料作物の特性評価
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成9年度(平成7~9年度)
  • 研究担当者:柴 伸弥、原 慎一郎、松崎正敏、常石英作、松岡秀道、眞田康治
  • 発表論文等:ギニアグラスの消化率及び成分含量と選択性との関係、第93回日本畜産学会大会、1997年。