ペットボトルを利用したスクミリンゴガイのトラップ

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要約

ペットボトルを用いてスクミリンゴガイのトラップを作製した。本トラップにより調査地を攪乱しないで省力的なスクミリンゴガイ個体群密度推定ができる。

  • 担当:九州農業試験場・地域基盤研究部・害虫生態制御研究室
  • 連絡先:096-242-1150
  • 部会名:総合農業(生産環境)・病害虫
  • 専門:作物虫害
  • 対象:害虫
  • 分類:研究

背景・ねらい

水田等でスクミリンゴガイの行動や個体群密度の調査を行う場合、トラップの使用により調査方法の標準化、精度の向上が期待できる。そこでペットボトルを利用してスクミリンゴガイのトラップを作製し、実際の調査への適用性を検討する。

成果の内容・特徴

  • ペットボトルを細工してスクミリンゴガイ捕獲用のトラップを作製した(図1)。誘引源として市販の鯉の餌を用いた。
  • 表面に白色のペンキを塗るかまたはアルミテープを巻きつけること(表面加工)により貝の捕獲数が増加する(表1)。
  • 入り口に薄いプラスチック幕(OHPシート)を垂らすことにより、一度入った貝のトラップからの逃亡を防ぐ(図2)。
  • 水田において、本トラップを用いたマーキング法(Jolly‐Seber法)とコードラート法(枠設定法)により貝密度を推定した結果、両者に高い相関(r2=0.873)が見られた(図3)。

成果の活用面・留意点

  • スクミリンゴガイの密度推定が行える。
  • より誘引力のある餌を開発することにより、防除への応用が期待できる。

具体的データ

図1 スクミリンゴガイのトラップ
図1 スクミリンゴガイのトラップ

 

図2 プラスチック幕(OHPシート)による捕獲貝の逃亡防止効果
図2 プラスチック幕(OHPシート)による捕獲貝の逃亡防止効果

 

図3 コードラート法とマーキング法による推定密度の分布図(平成10年7-9月)
図3 コードラート法とマーキング法による推定密度の分布図(平成10年7-9月)

 

表1 トラップ表面加工による捕獲数への効果
表1 トラップ表面加工による捕獲数への効果

 

その他

  • 研究課題名:スクミリンゴガイの生態解明
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成10年度(平成8年~11年)