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水田内に高密度で生息するウスバキトンボの幼虫は、殻高5mm以下のスクミリンゴガイの稚貝を捕食する。終齢幼虫の捕食能力はとりわけ高く、1個体が日当たり平均32頭の孵化貝を捕食できる。
西南日本における直播水稲の最重要害虫であるスクミリンゴガイの稚貝に対する天敵の働きについてはこれまでほとんど調べられてこなかった。スクミリンゴガイが生息する水田から採集した水生捕食者に関する予備実験の結果から、生息密度が最も高く、かつ捕食量が多いことが明らかになったウスバキトンボ幼虫について、スクミリンゴガイ稚貝に対する捕食能力を室内実験によって明らかにする。
図1 ウスバキトンポ幼虫による孵化貝の日当たり捕食数(平均±標準誤差、水田から採集後1日絶食させた幼虫に3日間日当たり10頭の貝を給餌、反復数10)
図2 ウスバキトンボ終齢幼虫の日齢別孵化貝捕食数(平均±標準誤差、水田から採集後2日以内に脱皮した幼虫に日当たり80頭の貝を給餌、反復数3)
図3 稚貝のサイズとウスバキトンボ終齢幼虫による捕食率の関係(水田から採集後1日絶食させた幼虫に1日間1頭の貝を給餌、供試数各20)