※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
セジロウンカの熱帯採集個体群は温帯採集個体群と比較して長翅型発現率が低く、相対翅長が短いという遺伝的特性を有することから、温帯個体群より移動分散能力が低い。
移動性イネウンカ類の翅多型性は、選抜によって容易に変化しうる遺伝形質であり、地域個体群ごとの変異は大きいと考えられる。セジロウンカの翅型発現性が熱帯と温帯の個体群の間で遺伝的に異なるか否かについて、これまで翅長などの形態形質を含めて比較した例はない。そこで、フィリピン国内の3地点(ルソン島北部Banaue、ルソン島中部Maligaya及びミンダナオ島南部Davao )、及び日本(Niigata)で採集したセジロウンカ個体群を5段階の密度で飼育し、熱帯と温帯の個体群の翅型発現性と相対翅長の違いを明らかにする。
図1 フィリピン(Davao,Maligaya,Banaue)および日本(Niigata)採集セジロウンカ個体群の密度翅型反応
図2 フィリピン(Davao,Maligaya,Banaue)および日(Niigata)採集セジロウンカ個体群の相対翅長(前翅長/頭幅)