イネいもち病菌非病原性遺伝子の高密度分子連鎖地図
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要約
イネいもち病菌の非病原性遺伝子(Avr-sh、Avr-ks、Avr-ta)とAFLPマーカーおよびRAPDマーカーとの連鎖分析を行い、高密度分子連鎖地図を作成した。
- 担当:九州農業試験場・地域基盤研究部・病害生態制御研究室
- 連絡先:096-242-1150
- 部会名:総合農業(生産環境)、病害虫
- 専門:作物病害
- 対象:稲類
- 分類:研究
背景・ねらい
イネの最重要病原菌であるいもち病菌の病原性変異機構解明のためには、非病原性遺伝子の単離と遺伝子機能の解析が不可欠と考えられる。そこで、既に同定されているAvr-sh、Avr-ksおよびAvr-taについて、AFLPマーカー、RAPDマーカーとの連鎖地図の作成を行い、非病原性遺伝子の単離を目指す。
成果の内容・特徴
- Avr-sh、Avr-ksおよびAvr-taの各非病原性遺伝子の染色体上の位置を標識するAFLPマーカ-24、RAPDマーカ-13の計37の分子マーカーを見い出した(図1)。
- 特にAvr-ksおよびAvr-shについては、それぞれ15個および4個のマーカーが密接に連鎖している(0~1.6cM)ため、これらは遺伝子の単離に極めて有効に利用できる(図1)。
- 遺伝子連鎖分析にはMAPMAKER2.0を用い、連鎖の有意性を示すLOD(対数尤度比)値は3.0とする。
- 3つの非病原性遺伝子は、全長約132cMの同一の連鎖群に属している(図1)。
成果の活用面・留意点
- 密接に連鎖した分子マーカーを用いることにより、イネいもち病菌の非病原性遺伝子(Avr-ksおよびAvr-sh)の単離が可能である。
- 本研究で得られた連鎖群が座乗する染色体を同定する必要がある。
具体的データ

その他
- 研究課題名:病原性関与遺伝子の染色体領域の特定(九州農試)
- 予算区分:一般別枠(次世代稲作)
- 研究期間:平成11年度(平成10~12年)