キシュウスズメノヒエに対するシハロホップブチル含有粒剤の効果
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
シハロホップブチル乳剤などの茎葉処理は、本田内で再生したキシュウスズメノヒエに対して収穫期まで高い防除効果を示すのに対して、シハロホップブチル含有粒剤の湛水土壌処理は、一時的に生育を抑制するが、その後再生し、収穫作業の障害になる。
- 担当:九州農業試験場・水田利用部・雑草制御研究室
(九州沖縄農業研究センター水田作研究部雑草制御研究室)
- 連絡先:0942-52-3101
- 部会名:総合農業(作物生産)、水田作
- 専門:雑草
- 対象:雑草類
- 分類:研究
背景・ねらい
九州地域の水田では、キシュウスズメノヒエの発生が問題になっている。畦畔および畦畔から本田内に侵入した同雑草に対するシハロホップブチル剤の茎葉処理による防除、また早期水稲刈跡水田における非選択性除草剤による防除については、すでに九州農業研究成果情報として公表されている(第14巻p.51-52、第15巻p.57-58、59-60)。シハロホップブチル剤は、本田内で切断茎から発生したキシュウスズメノヒエの防除にも有効であるが、剤型・処理方法による効果変動と残草程度による水稲の生育・収量等への影響は明らかになっていないので、その点を明確にする。
成果の内容・特徴
- シハロホップブチル含有粒剤の湛水土壌処理は、処理時の水深を5cm前後にすることで抑制効果を示す(図1、表1)。
- シハロホップブチル乳剤の茎葉処理は、本田内で再生した2~3葉期のキシュウスズメノヒエに対して収穫期まで高い防除効果を示すのに対して、シハロホップブチル含有粒剤の湛水土壌処理は、一時的に生育を抑制するが、その後再び生育を始める(表2)。
- 再生したキシュウスズメノヒエは、水稲の茎数・穂数に影響を与えないが、草丈が1.7m以上になり、収穫機械の歯にからみつくことによって収穫作業の障害になる(表2、表3)。
成果の活用面・留意点
- キシュウスズメノヒエに対して安定した防除効果を示すための研究の基礎資料として活用される。
- 本試験はキシュウスズメノヒエを6本/m2の植え付け密度で行ったものであり、発生密度がこれを超える場合や再生がばらつく場合は、シハロホップブチル含有粒剤処理では水稲の生育に影響を及ぼす可能性がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:水稲超省力栽培における除草剤利用技術の確立
- 予算区分:経常、受託
- 研究期間:平成12年度(平8~12年)