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トマトの重要病原であるトマト黄化葉巻ウイルスは分子特性から北部九州の長崎系統および東海地域の静岡系統の2系統に分けられる。PCR法を基に、これら2系統を簡易に識別する2つの方法を確立した。
トマト黄化葉巻病(病原ウイルス:トマト黄化葉巻ウイルス,TYLCV)は,1996年の初発生以来発生拡大を続け,北部から中部九州にかけて急速に蔓延して大きな問題となっている。日本に発生するTYLCVはTomatoyellowleafcurlvirus-Israel(TYLCV)1種であるが,分子特性から北部九州の長崎系統(Ng)および東海地域の静岡系統〈Sz)の2系統に分けられる。系統により病徴発現の強弱や宿主範囲に違いがあるため,その識別は有益な情報となる。また,本病新発生地における病原ウイルスの感染経路を明らかにする上でも系統識別は重要な指標となる。そこで,PCR法を基に簡易な系統識別法を確立する。
将来,2系統を親とする組換えウイルスが出現した場合にも,BMプライマーによるPC産物の制限酵素切断パターンの変化を調べることによって,組換えが起こったかどうか判断できる。