直刃付加ロータリによるスクミリンゴガイの殺貝効果
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要約
耕うん爪間に直刃を付加したロータリ耕うん機を用いて作業をすることで、耕うんトルクを増加させずに圃場で土中越冬しているスクミリンゴガイの殺貝効果が向上する。
- 担当:九州農業試験場・水田利用部・機械化研究室
(九州沖縄農業研究センター水田作研究部機械化研究室)
- 連絡先:0942-52-3101
- 部会名:総合農業(作業技術)、農業機械・土木
- 専門:機械
- 対象:稲類
- 分類:研究
背景・ねらい
西南暖地において生育初期の水稲を食害するスクミリンゴガイに対し、土中越冬した貝をロータリ耕うん時に効果的に殺貝するためには耕うんピッチを小さくする必要があるが、それでは作業時間が増える。そこで作業速度を低下させずに効果的な殺貝の行えるロータリを開発する。
成果の内容・特徴
- 土槽実験において耕うん爪(ナタ爪18本)間に直刃を14~28本付加することで、耕うん時の殺貝が困難な中・小貝(殻高20mm以下)の殺貝効果が7~13ポイント(硬土条件;稲収穫後想定)、11~19ポイント(軟土条件;麦収穫後想定)向上する。軟土条件より硬土条件が、また付加する直刃は多い方が効果が高い(図1)。
- 圃場で市販のロータリ耕うん機の耕うん爪(36本)に18本の直刃を共締め(図2)し、稲収穫後に耕うん作業を行うと殺貝効果が10~39ポイント向上する(図3)。
- 2.の直刃付加ロータリによる耕うん作業では、PTO軸の耕うんトルクはほとんど増加しない(表1)。
成果の活用面・留意点
- 直刃は爪ホルダに固定台を用い共締めで固定するため現有のロータリ耕うん機を利用できる。
- 殺貝のための耕うん作業は一般に、稲収穫後などのできるだけ硬い土壌でピッチを小さく(耕うん速度を遅く、PTO回転を速く)一度に砕土をすると効果が高い。特に被害多発田や、水口周辺、畦畔付近など貝の生息密度が高いところは細かく砕土耕うんする。
- 耕うんでは小さな貝は殺貝が困難であるので、特に湛水直播圃場の排水不良個所は農薬のスポット散布などを併用して防除すること。
具体的データ




その他
- 研究課題名:スクミリンゴガイの機械的防除技術の開発
- 予算区分:スクミリンゴガイ
- 研究期間:平成12年度(平成9年~12年)