自走式フレール型刈り取りロールベーラによるサイレージ調製
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要約
自走式フレール型刈り取りロールベーラは飼料イネの他、牧草や飼料作物の収穫が可能であり、調製されたサイレージの貯蔵性は優れている。
- キーワード:自走式フレール型刈り取りロールベーラ、サイレージ、貯蔵性、飼料イネ、牧草、飼料利用
- 担当:九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・飼料生産研究室
- 連絡先:電話096-242-7756、電子メールih4111@affrc.go.jp
- 区分:九州沖縄農業・畜産・草地(草地飼料作)、畜産草地
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
水田転作の飼料作物として飼料イネの利用が注目されているが、水田に対応できる収穫機の開発が課題となっている。また、生産コストを低減させるためには、飼料イネ以外の牧草や飼料作物の収穫機としての汎用利用により、機械の利用率を高めることが望ましい。
そこで、農機具メーカーと共同で開発した走行部が水田に対応可能なクローラ型で、刈り取り方式がフレール型の収穫機について、他の牧草や飼料作物に対するサイレージ調製能力を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 自走式フレール型刈り取りロールベーラは飼料イネと同様、イネ科の飼料作物(エンバク、スーダングラス、ギニアグラス、イタリアンライグラス、二条オオムギ、ソルゴー)のダイレクト収穫が可能である(写真1)。
- 自走式フレール型刈り取りロールベーラは直径88cm×高さ88cm、重さ約185~250kgのロールベールが調製できる。また、理論上、切断長が短いので梱包されたロールの乾物密度が従来のロールベーラより高まる(表1)。その結果、嫌気度が向上しサイレージ発酵が促進される。
- 自走式フレール型刈り取りロールベーラで調製されたサイレージの貯蔵性は、従来のロールベーラで同水分の材料を用いて調製したサイレージより優れている。例えば、スーダングラスや飼料イネでは貯蔵性を示すV-scoreによる評価が不良から良に改善される(図1)。
成果の活用面・留意点
- 高品質サイレージ調製技術として利用可能である。
- トウモロコシについては検討していない。
具体的データ



その他
- 研究課題名:添加物、栽培法等を組み合わせた暖地型飼料作物ロールベールサイレージの品質改善技術の開発
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2000~2003年度
- 研究担当者:服部育男、佐藤健次、小林良次、只野克紀(スター農機)、上村慶治(ヤンマー農機)、
小原信孝(スター農機)、伊藤尚勝(ヤンマー農機)