リアルタイムアメダスを用いた小麦の出穂・成熟期予測とWeb上での公開
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要約
リアルタイムのアメダスデータをもとにアメダス地点毎に小麦(チクゴイズミ)の出穂期と成熟期を予測し,予測した結果をインターネット上で公開するシステム。
- キーワード:コムギ,出穂期,成熟期,予測,インターネット
- 担当:九州沖縄農研・環境資源研究部・気象特性研究室
- 連絡先:電話096-242-7766,電子メールm0200362@affrc.go.jp
- 区分:九州沖縄農業・生産環境(農業気象),共通基盤・農業気象
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
高温・多雨の九州地域において高品質の小麦を安定して栽培するには発育ステージ毎に適切な栽培管理を行う必要がある。しか
し,小麦の出穂期や成熟期は気象条件によって2週間程度早まったり,遅延するため,作業計画が立てづらい。そこで,気象データをもとに小麦の出穂期と成熟
期を予測し,予測結果を農家に伝えるシステムを構築する。
成果の内容・特徴
- システムはパソコン上に構築されている。システムはリアルタイムアメダスをもとにアメダス地点毎に小麦の出穂期と成熟期を予測し,予測結果を毎日午前4時前後にWebサーバにアップロード(更新)する。全ての処理は自動的に実行される(図1)。運用期間は1月から6月までである。
- 九州沖縄農研のホームページ上にある九州の気象図から小麦のページに入ることができる。また,検索エンジンを使い,“小麦”,“出穂期”,“成熟期”などのキーワードで検索すると,小麦のページが表示される。
- 簡単な操作で小麦の出穂期と成熟期の予測値を見ることができる(図2)。まず,Web上で対象の県をクリックし,県内のアメダス観測点の一覧を表示させる。次に,アメダス観測点をクリックすると,今年の出穂期または成熟期が平年値と共に表示される。
- 福岡,大分(宇佐,久住),佐賀,長崎,熊本で行われた5年分の作期移動試験のデータ(92作期)をもとにモデルの精度を検証した結果を図3,4に示す。図3は出穂日数,図4は成熟日数である。図中の実線は1:1の線,破線は±3日の線である。推定誤差(RMSE)は出穂期が3.49日,成熟期が2.75日である。
成果の活用面・留意点
- 発育の促進・遅延を平年値と比べながら見ることができ,適切な栽培管理を行う上での判断材料となる。
- 現在までの気温はアメダスデータを使い,現在以降の気温は平年値を使って予測を行っている。
- 対象品種はチクゴイズミである。
具体的データ
その他
- 研究課題名:小麦赤かび病の早期防除予測モデルの開発
- 課題ID:07-06-03-01-08-03
- 予算区分:食品総合
- 研究期間:2003~2004年度
- 研究担当者:黒瀬義孝,丸山篤志,大場和彦
- 発表論文等:黒瀬ら(2003)日農気講要,75.