茎葉が濃い紫色の観賞用カンショ新品種「九育観1号」
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要約
カンショ「九育観1号」は、茎葉が濃い紫色で、葉形が心臓形という特徴を持つ。露地植え、プランター植えなど観賞用として利用できる。
- キーワード:カンショ、サツマイモ、観賞用、茎葉、アントシアニン
- 担当:九州沖縄農研・畑作研究部・遺伝資源利用研究室
- 連絡先:電話0986-24-4270、電子メールidenshigen@affrc.go.jp
- 区分:九州沖縄農業・畑作
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
カンショの新用途開発の一つとして、ユニークな葉形や葉色、斑入り、開花性等の地上部特性を生かした観賞用としての利用が注目されている。特徴的な形質を持ち、市場価値の高い観賞用品種の育成に対する要望は大きい。そこで、葉形、葉色等の地上部特性について遺伝的変異を拡大し、観賞用として望ましい形質を兼ね備えた優良カンショ系統を開発する。
成果の内容・特徴
- 九育観1号」は、観賞用品種の育成を目的として、地上部の紫色の着色程度が高い「99US-OR」を母、保存遺伝資源系統のうち地上部の着色程度が比較的高い10品種・系統の混合花粉を父とする交配組合せから選抜した系統である(表1)。
- 茎色、節色、葉色の各特性とも「多」あるいは「濃紫」であり、茎葉部全体が濃い紫色を呈する(表1、写真1)。
- 葉形は「心臓形」である(表1、写真1)。
- 「テラス・ライム」などの黄葉系統と寄せ植えすることにより、その葉色のコントラストを楽しむことができる(写真2)。
成果の活用面・留意点
- 「テラス・ブロンズ」の商品名にて、初夏から盛夏期のガーデニング用植物としてポット苗の形態で全国の主要園芸店・ホームセンターなどで販売される。
- 「テラス・ライム」に比べ増殖能がやや劣るが、観賞用種苗生産としての実用上の問題はない。
具体的データ


その他
- 研究課題名:地上部特性の変異拡大による優良観賞用カンショ系統の育種素材化
- 課題ID:07-07-02-01-07-03
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2001~2003年度
- 研究担当者:高畑康浩、吉永 優、熊谷 亨、山川 理、中澤芳則、中山博貴、田中 勝、甲斐由美、石黒浩二、
片山健二、境 哲文、岩城一考(サントリーフラワーズ株式会社;以下SFL)、村上保之(SFL)、
石原卓朗(SFL)、山田将弘(SFL)、宮崎潔(SFL)
- 発表論文等:1) 高畑ら (2004) 育種学研究6 (別2) p.242
2) 品種登録出願第16896号、2004年4月6日