種子島におけるさとうきび収穫委託の動向と特徴
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要約
種子島におけるさとうきび収穫作業では、委託が4割を占めている。収穫委託の増加意向は、最も戸数が多い一部委託農家の3分の1に見られ、収穫委託が増加する可能性が高い。また全て手刈の農家は現状維持的である。
- キーワード:サトウキビ、収穫委託、担い手
- 担当:九州沖縄農研・総合研究部・農村システム研究室
- 連絡先:電話096-242-7696、電子メールyusuke@affrc.go.jp
- 区分:九州沖縄農業・農業経営
- 分類:行政・参考
背景・ねらい
さとうきび生産では、担い手を中心とした生産への移行や機械収穫の進展による効率化が求められている。そこで、平成13と15年期の製糖原料の搬入実績と、平成16
年秋に実施した種子島における全さとうきび農家へのアンケート調査にもとづいて、さとうきび収穫の動向を分析し、収穫委託の特徴を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 搬入実績から収穫量を収穫形態別にみると、平成15年期のさとうきび収穫全体の41%(自己分14%+委託分27%)を共同利用組織であるハーベスタ組合が担っており、その割合も高まっている(図1)。また、ハーベスタ組合や第3
セクターに収穫を委託する割合も39%と高い。
- アンケート調査の収穫類型で農家を区分すると、全体では手刈と機械収穫への委託を併用する一部委託が最も多い(表1)。規模別にみると、小規模層で全手刈が、大規模層で受託(ハーベスタ組合)割合が高いが、中間規模層では一部委託が最も多い。
- 栽培面積の意向では、収穫委託(全委託+一部委託)において減少意向が高い(表2)。一方、収穫作業の委託を増やしたいという意向は、一部委託の3分の1に見られ、収穫委託が増加する可能性が高い。
- アンケート調査の収穫類型別に委託率の動向を見ると、全委託と一部委託では平成13から15年期に委託率を増やした農家が多い(表3)。全手刈の73%
は、手刈主体で推移している。また委託増加の意向については、全手刈は現状維持的である。特に、手刈主体を続けている農家の委託要望は低い。
成果の活用面・留意点
- 種子島におけるさとうきび生産振興に活用できる。
- さとうきびの経営安定対策の要件には、1ha未満の手刈農家は該当しない。そのため今後の対応に注意する必要がある。
- 平成14年期から3年間さとうきびが不作であったため、さとうきび生産に消極的な意向が高まった可能性がある。
具体的データ




その他
- 研究課題名:さとうきび新品種導入の経営的評価と地域支援体制の提示
- 課題ID:07-01-02-02-07-05
- 予算区分:さとうきび
- 研究期間:2002∼2006年度
- 研究担当者:樽本祐助、笹倉修司