集落営農の担い手が活用できるGISを利用した水田利用計画策定支援システム
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要約
本システムは、水田利用計画の策定、作付データ及び作業・資材利用履歴データの管理に加えて、作業受託の会計処理をGIS上で一括的に管理できる。集落営農や作業受託組織の担い手が目的に応じて簡便に操作でき、組織運営の効率化に寄与できる。
- キーワード:水田利用計画、集落営農、作業受託組織、GIS、作業履歴、イネ
- 担当:九州沖縄農研・総合研究部・農村システム研究室
- 連絡先:電話096-242-7696、電子メールyusuke@affrc.go.jp
- 区分:九州沖縄農業・農業経営、共通基盤・経営
- 分類:行政・参考
背景・ねらい
米政策改革や品目横断的経営安定対策への対応から、集落営農の重要性が高まっている。集落営農の実現には、水田利用計画の策定、生
産管理の効率化、収益配分など組織運営のための管理業務を効率化することが課題になる。そこで、集落営農の担い手がこれらの業務をGIS上で効率的に実施
できる水田利用計画策定支援システムを開発する。
成果の内容・特徴
- 水田利用計画策定支援システムは、生産調整の立案、作付データの作成、作業履歴データの機能に加えて、作業受託における会計処理を支援する機能を持つ(図1、図2)。
- 圃場データは、一筆単位だけでなく、圃場の団地的利用を前提にした圃区による設定が可能である(図3)。圃区の活用により、計画の効率的策定やデータ入力作業の軽減を図っている。
- 集落営農での活用を前提に操作性の改善を図り、圃場図を選択してデータを管理するだけでなく、Excelにより管理された台帳データをGISに取り込む機能を持つ。
- 生産調整の立案では、生産調整計画の集計結果を地図化し、視覚に訴えることができるため、集落における合意形成の場面で活用できる。
- 圃場ごとの作業内容や農薬など資材利用量の履歴データを一括的に管理できるため、トレーサビリティにも対応できる。
- 会計処理の機能では、出力される作業受託データを作業料金の精算に利用することにより、組織運営の効率化に寄与できる。
成果の活用面・留意点
- 集落営農や作業受託組織の担い手などが利用対象者となる。
- GISはESRI社のArcView3.3を利用している。集計にはMicrosoft社のExcel、履歴データの管理にはAccessを利用している。
- システムの活用には圃場図が必要である。現在、農業委員会や行政において圃場図のGIS化が進められており、これらの機関と連携して運用することが有効である。
具体的データ



その他
- 研究課題名:九州型水田農業モデルの策定と実現のための施策と技術の解明
- 課題ID:07-01-04-*-14-05
- 予算区分:地域水田農業
- 研究期間:2005∼2006年度
- 研究担当者:樽本祐助、金岡正樹、笹原和哉、笹倉修司、田口善勝
- 発表論文等:樽本ら(2005)九州沖縄農業研究センター研究資料91:123-128