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キクに寄生するネグサレセンチュウ3種は、PCR法により増幅したrDNA ITS領域のHinf Iの断片パターンを比較することにより識別できる。
九州地域のキク圃場からは、これまで知られていたキタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ニセミナミネグサレセンチュウ(P. pseudocoffeae)に加え、クマモトネグサレセンチュウ(P. kumamotoensis)がキクの新害虫として報告されている(参照:九州沖縄農業研究成果情報第20号、21号)。中でも、クマモトネグサレセンチュウはキクにおける増殖率が高く、九州のキク生産において最も重要な有害線虫である。
これら3種は形態学的手法により識別が可能であるが、煩雑な標本作成と専門知識が必要である上、2種以上が混発している場合には
識別がきわめて困難となる。そこで、線虫1頭単位で迅速・簡便に識別が可能なPCR-RFLP法による識別法を確立する。
暖地における長距離移動性、新規発生等難防除害虫の発生メカニズムの解明と総合防除技術の開発