農林業試験研究のための農業集落カードデータベースの構築と利用システムの設計

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要約

農業センサス農業集落カードの全国データを農林研究計算センターのオンラインネットワークを通じて検索・抽出し解析するデータベースを構築した。同じデータをパソコンの汎用表計算ソフトに検索・抽出するシステムを開発した。

  • 担当:農業研究センター・農業計画部
  • 連絡先:0298-38-8422
  • 部会名:情報研究、農村計画、経営
  • 専門:情報管理
  • 対象:地域農業
  • 分類:研究

背景・ねらい

農業集落は農家が農業生産や生活の場面で密接な関わりをもつ社会集団であり、個別農家が分散的に所有する耕地が空間的にまとまりを形成する地理的単位で もある。農林水産省は、農業集落調査と農家調査の農業集落単位の集計結果の約880項目を全国約14万の農業集落について集約した農業集落カードを作成し ている。この情報は地域農業の研究には必要不可欠のもので、従来からマイクロフィシュ等で利用されてきた。研究の効率化のために、これをデータベース化 し、ネットワーク端末やパソコン上で検索・抽出し、研究上の多様なデータ解析に利用できるシステムを構築した。

成果の内容・特徴

  • 農林水産研究計算センターの専門・分野別データベースへの登録 農林水産省統計情報部から提供を受けた農業集落カード収録磁気テープをコードおよびデータ形式の変換を行って農林研究計算センターの専門別・分野別データ ベースとして、メインフレームのハードディスクに蓄積(全国農業地域単位)し、フォートランによって必要な地域・データの検索が可能なプログラムを作成 し、地域農試等の端末からオンラインによるデータ解析を可能とした。
    またメインフレームでは、フォートランプログラムを介してSPSSX、STATPAC等のアプリケーションにデータを渡すことによって、一般的な統計解析や多変量解析を行えるようにした。
  • パソコン上のデータベース構築 メインフレームに蓄積されたデータをCSV形式に変換し、LANによってパソコンの大容量記憶装置に転送し、索引順編成ファイルに蓄積、検索抽出プログラ ムを作成し、必要な地域、項目データの抽出を容易にした。抽出されたデータはカードイメージによる全項目の表示と印刷または必要項目のみを抜き出した一覧 表作成のいずれかの利用方法を選択できる。
    1)カード形式のデータ表示と印刷
    抽出された集落の全項目のデータを、汎用表計算のマクロを利用して市販のカードと似た形式で1集落B4版2枚で縮小印刷ができる。
    2)一覧表形式の項目抽出
    多数の農業集落の特性を比較し、集落間や特性間の関連性を分析するため、指定された項目を表頭に、集落を表側にとった一覧表を表計算のワークシートとして 作成する。共通に利用されると考えられる基本的な110項目はあらかじめ選択されてあり、この他に利用者が必要とする項目(132以内)をオプションで指 定できる。このワークシート上では、汎用表計算ソフトのもつデータ解析やグラフ作成等の機能を利用することができる。

成果の活用面・留意点

ここで、開発されたシステムの構築手法は、今後提供される1995年センサス等にも適用可能であり、時系列比較のプログラムを追加すれば地域の動態分析も可能となる。 パソコン上のシステムは、技術的には農林研究計算センターとは独立に利用可能であるが、原データの利用資格は農林水産省の試験研究期間に限定されている。原データの利用許可を得たものに対しては、利用プログラムの提供が可能である。

具体的データ

図 農業集落カードデータベースの構築・利用方法

その他

  • 研究課題名:地域農業の動向予測のためのデータベースの論理設計とプロトタイプの構築
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成4~6年)
  • 発表論文等:農林業研究のための農業集落カード統計データベースの構築、農林水
                      産統計情報研究会講演集、P.78~79、1994年11月、農林水産省農林
                      水産技術会議事務局