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発芽管破裂法を用いることによりムギ類赤かび病菌の体細胞染色体の観察が可能である。本菌2種(Fusarium graminearum とF. acuminatum)の細胞学的核型及び電気泳動的核型の解析から、それぞれ種固有の核型をもつことが示唆される。
ムギ類赤かび病は数種のFusarium属菌及びMicrodochium属菌によってひき起こされる。病原菌としてのFusarium属菌の生態は各々の種によって異なることが知られているが、未解明の領域が多く、とくに種分化機構については、ほとんど調べられていない。そこで、種分化機構解明の基礎的知見を得ることを目的に、分化や変異生成の場である核ゲノム(染色体)の構造レベルでの変異の有無を検討するため細胞学的核型及び電気泳動的核型を検討する。
PFGEを用いて解析する際に、染色体DNAを完全に分離できない場合があるため注意が必要である。
表1:標本の作成条件
表2:赤かび病菌の細胞学的核型
図1:赤かび病菌の体細胞染色体像(F.graminearum NHL-GZ-78-2,n=4)
図2:赤かび病菌の体細胞染色体像(F.acuminatum NHL-F-1150,n=5)