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従来、水田を畑に転換すると土壌が酸化条件下におかれるため、土壌窒素の無機化が促進されると考えられ てきた。しかし、培養実験およびポット試験で詳細に調べた結果、多くの水田土壌では畑条件下で土壌窒素の 無機化がむしろ低下することが認められた。
水田を畑に転換した場合に、土壌窒素の無機化量がどのように変化するかは、施肥管理や土壌の肥培管理を行う上で重要な問題である。 本研究では、全国から集めた水田土壌を対象に、湛水条件下と畑条件下で土壌窒素の無機化や作物による土壌窒素の吸収がどのように変化するかを比較検討した。
本試験で得られた結果は、転換畑の土壌窒素の無機化や作物による吸収が土壌の種類によって異なった特性があることを示しており、汎用水田の施肥管理や土壌の肥培管理を行う上での参考資料となる。
図1:湛水と畑条件下における土壌窒素無機化量の経時変化
表1:供試した3土壌の理化学性
図2:湛水と畑条件下における土壌窒素の無機化の比較
表2:湛水と畑条件下における作物の土壌窒素吸収量の比較(ポット試験)