WWW用リアルタイム静止画像システムFieldEyeの開発

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要約

インターネット上のWWWクライアントから遠隔地のカメラの方向やズーム率を自由に調節してリアルタイム静止画像を提供するシステムと任意のカメラ設定による定時定点画像を自動獲得しそのままWWW画像データベースとして提供するシステムを開発した.

  • 担当:農業研究センター・研究情報部・上席研究官
  • 連絡先:0298-38-7026
  • 部会名:情報研究
  • 専門:情報処理
  • 対象:
  • 分類:研究

背景・ねらい

インターネットの特徴のひとつにその使用目的が限定されず、ソフトウエア次第でさまざまな応用が可能なことがある。本研究はインターネットさえあれば遠隔地のリアルタイム画像をカメラの方向やズーム率をクライアントから自由に設定して獲得したり、定時定点の画像を自動収集してデータベース化しクライアントに提供するためのシステムを構築するものである。本システムによって圃場の遠隔管理や環境評価がインターネットを介して可能となる。

成果の内容・特徴

  • インターネット上のクライアントから、カメラサーバ(Windows 95)に接続されたカメラの方向とズーム率を自由に操作しながら、リアルタイムの静止画像(サイズはビデオキャプチャカードに依存。640X320画素まで確認)を獲得するための、リアルタイム圃場画像システムを開発した。クライアントはWWW(World Wide Web)ブラウザがあれば利用できる(図1、図2、図4)。得られる画像の画質は生育診断等に活用できることが専門家によって確認された。
  • 無線LANシステムを応用することで、可搬式のカメラサーバを開発した。既設ネットワーク回線の無い圃場内等を自由に移動しながら、クライアントにリアルタイム静止画像を提供できる(図3)。
  • リアルタイム圃場画像システムを応用して、自動的に定時の画像をデータベースに蓄積しそのままWWW上の画像データベースとして提供するための圃場画像自動記録システムを開発した。システムはデータベースサーバ(Windows NT)とカメラサーバの協調によって動作する。定時の獲得画像の数や、方向、ズーム率はカメラサーバ上のファイルで自由に設定できる。蓄積画像はWWWブラウザで検索し利用することができる(図5)。

成果の活用面・留意点

  • リアルタイム圃場画像システムは、遠隔圃場監視、生育診断等に広く利用可能である。クライアントにとってはインターネットインフラを利用するため新たな投資が不要である。委託栽培における生産者・消費者インタフェースや栽培コンサルティングシステムへの利用も提案された。
  • 圃場画像自動記録システムは自動生育記録、環境アセスメントなどに広く活用可能である。
  • ハードウエアとの相性などがあり、リアルタイム圃場画像システム等開発した各種ソフトウエアの配布は原則として行っていない。当面、個別の相談を通して対応を行う。
  • 利用者はWWWブラウザでhttp://fieldeye.narc.affrc.go.jp/からシステムを試用できる。

具体的データ

図1:FieldEye システムの概要
図1:FieldEye システムの概要

 

図2:カメラサーバ
図2:カメラサーバ

 

図3:可搬型カメラサーバ
図3:可搬型カメラサーバ

 

図4:リアルタイム圃場画像システムのインタフェース。簡易版(左)と詳細版(右)
図4:リアルタイム圃場画像システムのインタフェース。簡易版(左)と詳細版(右)

 

図5:圃場画像自動蓄積システムのインタフェース。検索画面(左)と検索結果(中、右)
図5:圃場画像自動蓄積システムのインタフェース。検索画面(左)と検索結果(中、右)

 

その他

  • 研究課題名:柔軟な検索が可能なインターネットマルチメディアデータベースの開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平8年度(平6~8年度)