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コナギは14.0および13.5時間の日長では、開花までに要する日数は産地間で顕著な差が認められる。13.0時間日長では、産地間差はなくなる。また、水温17°Cでは花芽形成率は低いが、18°Cでは花芽形成率は高まり北方の産地のものほど形成率は高い。コナギの線形葉の葉齢進展速度は、日平均水温と直線回帰で表され、産地間差はない。
コナギは、全国の水田に分布し除草管理をおろそかにすると水田一面に広がるほどの繁殖力を示す。コナギは土壌中での種子の寿命が長く、発生が長期にわたる ため、その種子生産特性の解明が求められている。花芽形成や開花の特性は、これらの種子生 産特性に大きく関与するが、未解明な部分が多い。また、除草剤処 理時期にあたる幼植物の生育についての地域間差は十分に知られていない。そこで制御の基礎 的知見を得るために、日長条件と水温条件の違いがコナギの幼植物 の生長と花芽形成および開花におよぼす影響の産地間差異を明らかにする。
自然日長下(試験開始日:6月16日)で、30-25°Cと23-18°Cの変水温条件では全ての個体が開花し 、17-12°Cでは全て開花しない。また、13 時間日長下で、17°Cの定水温条件下では全ての産地で花芽形成率は低いが、18°Cでは花芽形成 が行われ、北方の産地のものほど形成率は高まる傾向がある( 表2 )。
表1:産地を異にするコナギの到花日数に及ぼす日長の影響(気温条件:27°C)
表2:産地を異にするコナギの開花および花芽形成に及ぼす水温の影響
図1:日平均水温とコナギの葉齢進展速度の関係(左:大曲市産,中:谷和原村産,右:筑後市産)