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大麦の種子に対してアジ化ナトリウムを変異原とする突然変異処理を行い,単因子・不完全優性の半矮性突然変異遺伝子を得た。この半矮性突然変異遺伝子は優れた農業特性を示し,F1品種の育成に有用である。
大麦の多収性育種法としてF1育種法が考えられる。その場合ヘテローシス発現によって長稈となるので優性の半矮性遺伝子を利用できることが望ましい。しかし,既存の優性の半矮性遺伝子は極短稈および極晩生を示し問題がある。そこで有用な優性の半矮性遺伝子の獲得を目的として,突然変異処理を行い,得られた半矮性突然変異体について遺伝子分析を行うとともにその特徴を明らかにする。
この優性の半矮性突然変異遺伝子は,出穂性に影響を与えず,ヘテロ接合体の場合に最適な稈長短縮を示すので,F1品種の育成に有用である。また通常の固定品種への利用の可能性もある。
図1
:正常および半矮性交配組合せのF2集団における稈長の度数分布
表1
:半矮性交配組合せにおける稈長のF3検定(ランダム抽出のF3 25系統を調査)
表2
:半矮性交配組合せのF2集団における3つの遺伝子型の主要形質平均値