簡単で便利な線形計画法プログラムXLP

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要約

Windowsの表計算ソフト・エクセルに、通常の線形計画法、利益係数と制約量のパラメータ計算、目標計画法、整数計画法の計算機能を付加するプログラム。単体表の記述や計算実行等の操作が簡単で、エクセルの機能を利用すれば、集計用シート等を挿入するなどして便利な機能を追加できる。

  • 担当:農業研究センター・農業計画部・就業構造研究室
  • 連絡先:0298-38-8854
  • 部会名:経営
  • 専門:経営
  • 分類:普及

背景・ねらい

線形計画法(LP)は農業経営設計の主要な方法の1つとして利用されているが、その最適解を求めるパソコン用プログラムとして、農業研究センターが開発したCLPが広く利用されてきた。近年、パソコンのOS(基本ソフト)がMS-DOSからWindowsへと移行してきたため、MS-DOS用のCLPにかわるWindows用のLPプログラムへの要望が強くなっていた。このような要望に応えるものとして、XLPを開発した。

成果の内容・特徴

XLPは表計算ソフト・エクセル上で動くプログラムで、通常の線形計画法、利益係数と制約量のパラメータ問題、目標計画法、整数計画法の計算機能をエクセルに付加する。単体表の記述や計算実行等の操作が簡単で、エクセルの機能を利用すれば、集計用シート等を挿入するなどして便利な機能を追加できる。

  • 操作が簡単

    見本シートを参考に図1のように単体表を書けばよい。メニューバーのトップに設定されている[XLP]メニューから[LP計算]を選ぶと、計算結果が図2のように表示される。

  • 便利な機能を追加できる

    エクセルの機能を使い、たとえば、図3のように、単体表の外に農業経営に関する収集データを集計する「基礎データ」セル群を記述して、それらのセルと単体表のセルとをリンクすれば、集計と同時に単体表が自動的に作成されるようになる。「基礎データ」はそれ用のシートを挿入して単体表シートとは別シートに記述しても構わない。グラフ機能を利用して、計算結果をビジュアル化することも容易にできる。等々。

  • CLPとの互換性

    これまでにCLPで作成した単体表データのファイルは、[XLP]メニューの[開く]で読み込んでそのまま利用できる。

  • 動作環境

    OSがWindows95/98/NTで、エクセル95/97が動作する環境があればよい。

成果の活用面・留意点

  • 線形計画法及び農業経営の線形計画モデルの作成については、農業研究センター『線形計画法による農業経営の設計と分析マニュアル』(農林統計協会)等を参照のこと。

具体的データ

図1:単体表シート
図1:単体表シート

図2:計算結果シート
図2:計算結果シート

図3:「基礎データ」セル群とそれにリンクする単体表セル
図3:「基礎データ」セル群とそれにリンクする単体表セル

その他

  • 研究課題名:企業的農業経営の意思決定メカニズムの解明と支援システムの開発
  • 予算区分 :重点基礎
  • 研究期間 :平成10年度