Javaを用いた水稲生長モデルJAPONICA

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要約

Java言語によるGUIを備えた水稲生長モデルJAPONICAを開発した.地域,品種,耕種概要,気象データファイルを入力,選択することにより,場所や機種を選ばずプログラムが実行でき,シミュレーションされたLAI,乾物重,窒素吸収量等が数値とグラフで表示される.

  • 担当:農業研究センター・研究情報部・情報解析研究室
  • 連絡先:0298-38-8948
  • 部会名:情報研究
  • 専門:情報処理
  • 対象:稲類
  • 分類:研究

背景・ねらい

これまでのシミュレーションモデルはスタンドアロンでユーザーインターフェースが整備されていないものが多く,普及や利用が困難であった.このような状況の中で,近年,インターネットの普及に伴いWWWを介してどこでも起動できるプログラミング言語Javaが注目されている. 一方,近年,窒素の影響を考慮した機構的モデル(Hasegawa1997)が開発された.そこで,そのモデルをもとにJava言語によるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えた水稲生長モデルJAPONICA(Java version program of Oryza-nitrogen relation for crop growth analysis)を開発した.

成果の内容・特徴

  • JAPONICAは土壌からの窒素供給,稲体の窒素吸収量,LAI,光合成速度,乾物重等を動的に予測するモデルである.気象データや各種パラメータ選択のための地域,品種,耕種概要等のデータを入力することにより,日々の変動がシミュレーションされる(図1).
  • ブラウザによりプログラムを起動することにより入力画面が表示され,入力後,計算を実行することにより,シミュレーション結果が数値とグラフで表示される.また,他の施肥や気象条件,平年気象によるシミュレーション結果との比較をグラフで表示することもできる(図2).このプログラムはJava化されたことにより,場所と機種を選ばずに実行することが可能となった.
  • JAPONICAのオリジナルモデルは日本晴を用い京都で開発されたものであるが,一部のパラメータを変更することにより,富山で栽培されたコシヒカリへの適用が可能であった.

成果の活用面・留意点

  • このプログラムは平成11年度中に http://agrinfo.narc.affrc.go.jpから公開する予定である.
  • 他地域や他品種への適用は一部のパラメータの変更で可能である.
  • 登熟期間の予測精度については今後検討が必要である.

具体的データ

図1
:JAPONICAのフローチャート
図1 :JAPONICAのフローチャート

 

図2
:JAPONICAの表示画面
図2 :JAPONICAの表示画面

 

その他

  • 研究課題名:高度情報処理技術を用いた水稲の生育等簡易診断制御技術の開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成10年度(平成9~10年)