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水稲群落内でのコナギの乾物重は、移植後約22~63日の平均相対光量子量と有意な相関関係があり、相対光量子量を平均する期間は7日程度(移植後 29~35日)まで短縮できる。また、水稲は、コナギの移植64日後の乾物重が20g/m2以上になると減収する。このことから、移植後29~35日の間の 平均相対光量子量を30%以下とすれば雑草害を回避でき、簡便にコナギに対する水稲の光競合力を評価できる。
水稲と雑草との競合関係については、雑草の草種と水稲の生育・収量の関係を中心に解析が進められてきた。しかし、雑草を抑制する面からの水稲の競合力の機 構については、あまり知られていない。除草剤に依存しない環境保全型雑草制御の観点から一年生雑草コナギを材料として水稲との競合のメカニズムを解明し、 雑草競合力を評価・検定する方法を確立することによって、雑草競合力の優れた水稲品種の育成や雑草競合力を活用した栽培管理法のための基礎資料を得る。
16品種の草型を異にする日本型およびインド型の水稲品種とコナギの生育を圃場試験によって解析した結果、以下の点を明らかにした。
図1:平均相対光量子量とコナギの乾物重(移植後約2ヶ月)との関係
図2:コナギとの競合による水稲[日本型品種]の雑草害
図3:水稲のLAIと群落内の光環境
表1:異なる測定期間の平均相対光量子量とコナギの乾物重との寄与率の変化