ジャガイモ粉状そうか病の温室内抵抗性検定法
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要約
ジャガイモ粉状そうか病の罹病塊茎表皮を接種源とし,この粉砕物の懸濁液に健全種いもを浸漬接種後,滅菌土壌を充填したポットに植付けて栽培し,子いもの発病程度を調査することにより,温室内でジャガイモ品種の粉状そうか病に対する抵抗性検定が可能である。
- 担当:農業研究センター・病害虫防除部・畑病害研究室
- 連絡先:0298-38-8836
- 部会名:生産環境
- 専門:作物病害
- 対象:いも類
- 分類:研究
背景・ねらい
ジャガイモ粉状そうか病はジャガイモ地下部に発生し,感染した塊茎に円形病斑が形成される結果,その商品価値が著しく損なわれるため問題となっている。し
かしながら,これまでのところ本病に対する高度抵抗性品種は育成されておらず,また簡易な検定法も確立されていない。
そこで,温室内で試験可能な,ポット試験での本病抵抗性検定法を確立する。
成果の内容・特徴
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方法:接種源(罹病塊茎表皮病斑部の風乾物)に水道水を加えてホモジナイザーで粉砕し,1g/水道水10mlとなるように懸濁液を調製する。これに種いも
を数秒間浸漬後,30分間風乾する。直径18cmのポットに,滅菌土壌(農研センター圃場土(淡色黒ボク土)にジャガイモ用複合肥料(10-16-14)
を2.5g/kg土壌で混合)を2kgずつ詰め,浸漬接種した種いもをポットに1個ずつ植付ける。栽培は20°Cの温室内で行い,出芽後,ポットを1cm程
度水を張ったバット内に置き,土壌を湿潤状態に保つ(図1)。培土を適宜行い,播種70日後を目途にポットから直径1cm以上の子いもを掘りだし,水洗,風乾後,発病調査を行う。
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抵抗性検定への適用:ジャガイモ10品種(試験1:男爵薯[抵抗性:弱],農林1号[中],デジマ[中],アンデス赤[不明];試験2:男爵薯,エニワ
[中~強],とうや[弱],ホッカイコガネ[強],紅丸[弱],北海83号[不明],島系586号[弱])の種いもを上記の条件で浸漬接種し,播種70日
後の各品種の発病塊茎率,発病度を調査した。各品種の男爵薯に対する相対的な抵抗性の強弱は圃場試験による報告(品種登録時の特性値)と概ね一致した(図2および図3)。
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本法は温室を用いた小規模な条件下で,70日程度の期間で結果が得られることから,粉状そうか病に対する抵抗性検定に有効であると考えられる。
成果の活用面・留意点
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試験に用いた接種源の懸濁液ごとに病原菌胞子球の密度や病原菌の活性が異なると考えられるので,感受性の標準品種(男爵薯が適当)を同時に供試して相対発病度を把握する。
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栽培に際し,ポット内の土壌が常に湿潤に保たれるように水分管理に注意する。
具体的データ

図1:粉状そうか病抵抗性検定法の概要

図2:ジャガイモ粉状そうか病抵抗性の品種間比較各試験において,各品種とも6株供試

図3:ジャガイモ各品種における発病状況(試験2)左から,北海83号,ホッカイコガネ,とうや,紅丸,男爵薯,エニワ,島系586号
その他
- 研究課題名:ジャガイモ粉状そうか病の病原性・抵抗性検定法の確立
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成11年度(平成9年~平成11年)