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タマネギ萎黄病ファイトプラズマに感染したシュンギクの可溶性タンパク質には、感染特異的タンパク質(pathogenesis-related protein)の5群に属するタンパク質が多量に蓄積されている。
農薬使用に頼らない新たなファイトプラズマ病制御技術を開発するためには、宿主植物への感染及び病徴発現メカニズムの解明が重要である。既にウイル スや糸状菌等では、病原-宿主植物間の分子レベルでの相互認識等により感染成立や病徴発現が決定されている例も知られているが、ファイトプラズマと宿主植 物との相互作用に関する知見は非常に少ない。ファイトプラズマー宿主植物間の相互作用の一端を明らかにするために、ファイトプラズマ感染による宿主植物の タンパク質発現への影響について試験を行った。
ファイトプラズマ感染に対する宿主植物の応答反応の一つであるPR-5群タンパク質の発現・蓄積を指標として用いることで、初期感染から全身的な病徴発現までの、ファイトプラズマー宿主植物間の相互作用についてタンパク質レベルで解析することが可能になる。
図1.OY感染シュンギクに特異的に蓄積する6種のタンパク質★(右下:接種45日後)シュンギクソウマチン様タンパク質 CTLP (Chrysanthemum coronarium thaumatin-like protein) 1-6
図2.OY感染シュンギクに特異的に蓄積するタンパク質(CTLP)と既知のPR-5タンパク質とのN末端アミノ酸配列の比較CTLP1-4:図1の1-4(N末端アミノ酸配列は同一)CTLP5:
図1の5, CTLP6:
図1の6 TLP(ソウマチン様タンハ°ク),OLP(オスモチン様タンハ°ク),PRSはPR-5に属する