インターネット利用による農作業シミュレータ

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要約

現場の経営体に適した稲・麦・大豆等の農作業体系を効率的に確立するためのシミュレータを開発した。このシミュレータはインターネットを用いて利用でき、 データ入力も簡素化しているため、作物の組み合わせに即した省力的な作業方法や新たに導入しようとする機械の作業改善効果等が容易に予測できる。

  • 担当:農業研究センター・機械作業部・作業システム研究室
  • 連絡先:0298-38-8904
  • 部会名:作業技術,情報研究
  • 専門:機械,作業
  • 対象:農業機械
  • 分類:指導

背景・ねらい

水田の高度利用をはかるためには現場の個々の経営体に適した稲・麦・大豆等の農作業体系を確立する必要があるが、作物や経営条件によって作業条件や 機械装備等は大きく異なる。そこで現場に適した体系化技術を効率的に確立するための支援システムとして、インターネットを利用して作物や機械装備等から年 間の作業可能面積等が解析できるシミュレータを開発し、省力作業方法や新作物導入時の作業改善効果等の予測を容易にする。

成果の内容・特徴

  • 農作業シミュレータは、耕耘・播種~収穫・乾燥に至る個々の作業期間や使用機械などの条件より作業別の処理面積や作業時間を求めていくものであり、これらの条件を様々に変えることにより、作付品種・機械装備・気象条件に即した年間の作業可能面積等を推定することができる(図1)。
  • シミュレータで得られた結果より、作物の組み合わせに即した最も省力的な作業方法の選択が容易になると共に、新たに導入しようとする機械の作業改善効果等や新たな作物を導入した際の作業ピーク等が予測できる。
  • 計算には個々の作業別の作業能率や作業可能期間など多くのデータが必要であるが、これらの入力を支援するための作業関連のデータベースや気象データベース等を作成することにより、インターネットを利用したデータ入力作業が容易になる(図2)。
  • 出力結果は個々の作業別の作業面積、機械使用時間であり、これらを集計することにより、作物の組み合わせや機械装備等を変えたときの作業可能面積等が予測できる(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 現行の作業体系における作業可能面積や新たな機械や作物を導入した際の作業改善効果・作業競合等を推定するシステムとして活用できる。
  • シミュレータに用いるインターネットブラウザはネットスケープ(ver 3.2以上)が好ましい(エクスプローラの場合、データ入力画面が乱れる場合がある)。
  • 本シミュレータは、http://ss.narc.affrc.go.jp/kikaiに公開してある。

具体的データ

図1:シミュレータの構成
図1:シミュレータの構成

 

図2:データ入力画面
図2:データ入力画面

 

図3:シミュレーション例
図3:シミュレーション例

 

その他

  • 研究課題名:農作業知識データベースシステムの開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成11年度 (平成9~11年)