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アマランサス「ニューアステカ」は、導入選抜系統「メキシコ系」にγ線照射して育成した短茎、早生の系統である。種子千粒重は大きく、黄白色で糯性である。機械収穫適性が認められ、収穫作業が効率化できる。
子実用アマランサスは、古代インカの時代から栽培されていたヒユ科の偽穀類であるが、稲や麦に比べて、蛋白質や、脂質、ミネラルに富み、必須アミノ 酸であるリジンの含有量が多いことなど、栄養的に優れた作物であり、地域特産品として栽培されている。わが国では、約20年前にメキシコ原産の子実用アマ ランサスの系統が新たに導入された。この中から選抜されたメキシコ系と呼ばれる系統が耐病性や収量性に優れていたため、全国で栽培されている。しかし、こ の系統は草丈が2mを超え、手作業による収穫が重労働となることや、風雨による倒伏で収穫物に土砂が混入することが大きな問題であり、倒伏しにくくコンバ イン収穫が容易な草丈の低い系統の育成が望まれている。
「ニューアステカ」は、平成元年に農業生物資源研究所放射線育種場において、短茎・早生を育種目標として導入選抜系統であるメキシコ系にγ線 (60Co)50kRを照射し、以後、農業研究センター作物開発部資源作物育種研究室(茨城県つくば市)において、M1個体の養成、M2集団から変異個体 を選抜後、系統育種法に準じて選抜固定を行ってきたものである。平成12年、M11で「ニューアステカ」と命名し種苗登録申請を行った。本系統は、導入選 抜系統「メキシコ系」と比較して、次のような特徴を持つ。