結球野菜の迅速画像認識を目的とした高速化アルゴリズム

※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。

要約

デジタルカメラ等を使って撮影した結球野菜の画像から結球部の中心位置と大きさを高速に算出するためにハフ(Hough)変換を改良した円認識アルゴリズムである。このアルゴリズムを画像認識システムに組み込むことにより、自動収穫機等によるリアルタイムでの規格別大きさ判定等に利用できる。

  • 担当:農業研究センター・機械作業部・畑作機械化研究室(中央農業総合研究センター・作業技術研究部)
  • 連絡先: 0298-38-8813
  • 部会名: 作業技術
  • 専門: 機械,作業
  • 対象: 茎葉菜類
  • 分類: 研究

背景・ねらい

野菜生産農家は野菜市場の品質・規格基準に適合する野菜を生産しなければならないため、収穫作業をしながら個体毎に適否の判別が求められる。しかし 現状では作業者の「視認」に基づいて判別を行わざるをえないため、作業の自動化・省力化の大きな障害となっている。本研究では、結球野菜のデジタル画像か ら結球部の大きさを自動的に算出するためのアルゴリズムおよびソフトウェアの開発を目的とした。

成果の内容・特徴

  • ハフ(Hough)変換は、ノイズの多い画像から線や円を識別するために有効な手法として従来から知られている。しかしコンピュータで計算させるには時間 がかかることや計算に必要な記憶容量が膨大であることから、本成果ではこの問題点を、精度を変えることなく改善している。
  • 従来の円のハフ変換では図1-(1)式のように多変数の数式の解を見つける必要があるため、上記1の影響が大きい。そこで円を直線の集合と見なし、直線のハフ変換((2)式)とハフ空間内での投影式((3)式)を組み合わせて円認識アルゴリズムを構成している。
  • 本アルゴリズムを組み込んだ画像処理ソフトウェアをボーランドC++で作製し、円成分を画像中から抽出してその中心座標と半径を高速に認識可能であることを検証した結果を図2に示す。ここでは、キャベツの結球部を撮影した画像に対してあらかじめ前処理(エッジ抽出と2値化)を行った上で、考案したアルゴリズムを施している。

成果の活用面・留意点

  • 人工網膜カメラや3Dビジョン等のハードウェア画像処理装置との連携により、結球野菜のリアルタイム画像認識への応用が見込まれる。
  • ハフ変換結果に対する閾値の調整をあらかじめ行う必要がある。
  • 抽出された複数の円の中から妥当な円を選択するアルゴリズムが必要である。
  • 品質のよいエッジ抽出画像を取得するための前処理と照明条件の検討が必要である。

具体的データ

図1:直線と円のハフ変換式と新規提案アルゴリズムのフロー
図1:直線と円のハフ変換式と新規提案アルゴリズムのフロー

 

図2:実際の結球部画像を用いた処理結果
図2:実際の結球部画像を用いた処理結果

 

その他

  • 研究課題名:露地野菜の画像認識におけるタスクオリエンテッドビジョン技術の開発
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成12年度(平成5~12年)