気象データ利用支援ソフトMetBroker
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要約
気象データを必要とするインターネット用プログラムを作成する時、開発した気象データ利用支援ソフトMetBrokerを組み込むことにより、インターネット上で提供される気象データの形式を考慮する必要がなくなり、気象データ毎にプログラムを書き直すといった作業から一切解放される。
- 担当:農研センター研究情報部・上席研究官,同研究技術情報科(中央農研農業情報研究部・分散コンピューティング研)
- 連絡先: 0298-38-7026
- 部会名: 情報研究
- 専門: 情報処理
- 分類: 研究
背景・ねらい
現在、さまざまな気象データがネット上で提供されているが,これらの気象データの測定時間間隔、測定項目(気温、降水量、湿度、日射量など),記録
形式,提供方法は千差万別である。最近、農作物の生育予測や病害虫発生予想の情報システムなど農業用ソフトの開発が盛んになっているが、ソフトウエア開発
者は、地域やサイトによって気象データの提供形式が異なっているため、使用する気象データに応じてその都度プログラムを書き直す、といった無駄な作業が繰
り返さなくてはならない(図1)。このような作業を省き、プログラム開発の効率化を進めることが求められている。
成果の内容・特徴
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世界で初めて、画期的な「気象データ利用支援ソフトMetBroker(メットブローカー)」を開発した。MetBrokerは、インターネット上で提供
される気象データの様式の違いを吸収して、同じ形式で提供されているように見せる機能を持っている。このため、気象データを必要とするインターネット用プ
ログラム開発者は、MetBrokerを組み込むことにより、使用する気象データの形式を考慮する必要がなくなり、気象データ毎にプログラムを書き直すと
いう作業から解放される(図2)。
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MetBrokerは、徹底してプログラム内部を機能別に部品化するオブジェクト指向という手法で開発したため、インターネット上で新しい形式の気象デー
タ提供が始まっても、その気象データに対応した小さい部品プログラムをMetBrokerにはめ込むだけで簡単に対応することができる。
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MetBrokerの手法は気象データ以外にも応用可能で,これまでのプログラム開発のやり方を変え、農業用プログラム開発の効率化に大きく貢献する。
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MetBrokerは現在、アメダス等の国内データに加え、米国、英国、南アフリカ、ニュージーランドで提供されている気象データにも対応している。
成果の活用面・留意点
詳細情報はhttp://www.agmodel.net/MetBroker/index.htmlで公開している。
具体的データ

図1:これまでの気象情報を必要とするソフト開発。気象データの形式が異なる度に、その形式に対応するソフトを開発する必要がある。

図2:MetBrokerを使う気象情報を必要とするソフト開発。新たな形式の気象データに対応する場合、予測プログラムは一切修正不要で、MetBrrokerに小さな部品プログラムを組み込むだけで良い。
その他
- 研究課題名:効率的・安定的園芸のための知識工学およびコンピュータ科学の応用
- 予算区分 :増殖情報ベース,STAフェローシップ
- 研究期間 :平12年度(平9~12年度)