携帯電話からの気象ブローカの利用

※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。

要約

さまざまな気象データベースを統一的に利用できる仲介ソフトウエア気象ブローカ"MetBroker"を携帯電話から利用するシステムを開発した。これにより圃場にいながらにして気象データを利用することができる。

  • 担当:農業研究センター・研究情報部・情報解析研究室(中央農業総合研究センター・農業情報研究部・営農情報システム研究室)
  • 連絡先: 0298-38-7176
  • 部会名: 情報研究
  • 専門: 情報処理
  • 分類: 普及

背景・ねらい

気象データは適切な栽培管理を行ったり、作業計画を立てたりする上で不可欠な情報であり、時間的、空間的な制約を取り除いて、いつでも、どこにいて も気象データを利用できることが重要である。そこで広く普及した携帯電話から様々な種類の気象データベースを利用するシステムをを開発する。

成果の内容・特徴

  • 気象データベースにはアメダスデータベースや都道府県のデータベースなど様々な種類があり、データフォーマットや利用方法などがそれぞれ異なる。そこで本 システムでは、これら種々のデータベースを統一的に扱うことが出来る仲介ソフトウエア「気象ブローカ"MetBroker"」を利用する。これを用いるこ とによりシステム開発者は簡単にいろいろな気象データベースを利用できるようになる。
  • システムの概念図を図1に 示した。利用者が携帯電話を用いて特定のインターネットアドレスに接続するとServletと呼ばれるソフトウエア(javaというプログラム言語で書か れたプログラム)が利用者の問い合わせ要求を解析してMetBrokerと通信をする。MetBrokerは要求にしたがってデータベースに接続し、気象 データを取得する。このデータはServletを通じて利用者の携帯電話に送られる。MetBrokerはデータの受け渡しを行い、データ提供サービスの 内容はServletに書かれている。
  • 提供データは1976年からのアメダスデータで、観測点ごとの気温、降水量、風速の時別値、日別値、ある期間の積算温度、積算雨量が得られる(図2,図3,図4,図5)。
  • 携帯電話のインターネット接続サービスは全国のほとんどの平地部で利用可能であるので、圃場にいながらにして気象データを参照し、栽培管理や作業計画に役立てることができる。

成果の活用面・留意点

  • 本システムは次のアドレスで公開されている。http://agrinfo.narc.affrc.go.jp/i-mode.htm
  • MetBrokerを利用しているため、国公立の試験場で計測されている種々の気象データを本システムで提供することは容易に実現できる。またMetBrokerは次のアドレスで公開されいる。http://agrinfo.narc.affrc.go.jp

具体的データ

図1:システム概念図
図1:システム概念図

 

図2:県名の指定画面
図2:県名の指定画面

 

図3:検索画面観測点、データのタイプ(時別値、日別値、積算温度、積算雨量)、データの期間を指定する。
図3:検索画面観測点、データのタイプ(時別値、日別値、積算温度、積算雨量)、データの期間を指定する。

 

図4:時別値の検索例指定期間の気温、降雨量、風速の時別値が表示される。
図4:時別値の検索例指定期間の気温、降雨量、風速の時別値が表示される。

 

図5:積算温度の検索例指定期間の積算温度が表示される。
図5:積算温度の検索例指定期間の積算温度が表示される。

 

その他

  • 研究課題名:データマイニング手法を用いた農業情報の解析
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成12年度(平成9年~14年)