水稲乾田直播栽培における除草剤の茎葉処理によるイボクサの防除
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要約
水稲乾田直播栽培で問題となるイボクサに対して、ビスピリバックNa塩液剤(200ml/10a)またはベンチオカーブ・DCPA乳剤を3~7葉期に処理すると、防除効果が高い。
- 担当:農業研究センター・耕地利用部・水田雑草研究室(中央農業総合研究センター・耕地環境部・水田雑草研究室)
- 連絡先: 0298-38-8953
- 部会名: 作物生産,総合研究
- 専門: 雑草
- 対象: 雑草類
- 分類: 指導
背景・ねらい
水稲乾田直播栽培では乾田期における雑草防除が極めて重要であるが、近年は省力・低コストを目指し、乾田期の雑草防除は茎葉処理剤の1回処理で行わ
れることが多い。そのような状況下でイボクサの発生が問題になってきているため、イボクサに対する効果が高い除草剤を選定し、防除法を明らかにする。
成果の内容・特徴
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シハロホップブチル・ベンタゾン液剤はイボクサに対する効果が低い(表1、表2)。
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ビスピリバックNa塩液剤及びベンチオカーブ・DCPA乳剤は3~7葉期のイボクサに対する効果が高い。しかし、ビスピリバックNa塩液剤は薬量による効果の変動が大きく、低薬量(100ml/10a)では除草効果は不十分である(表1、表2)。
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水稲に対して、ビスピリバックNa塩液剤では黄化及び生育抑制、ベンチオカーブ・DCPA乳剤では葉先枯れ及び生育抑制が処理後にみられる。しかし、水稲の乾物重は処理35~42日後には無処理区と同等に回復する(表3)。
成果の活用面・留意点
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イボクサが多発する水稲乾田直播栽培水田で活用する。
- 7葉以上のイボクサに対する効果を検討していない。
- ベンチオカーブ・DCPA乳剤の農薬登録上の使用晩限はノビエ3葉期である。
- イボクサに対する効果が比較的高いヘ ゙ンスルフロンメチル・ヘ ゙ンチオカーフ ゙・メフェナセット1キロ粒剤と体系処理することにより、高い除草効果が得られる。
具体的データ

表1:葉令を異にするイボクサに対する除草剤の効果(1/5000aポット試験)

表2:イボクサに対する除草剤の効果(1999年、2000年圃場試験)

表3:水稲(キヌヒカリ)の生育・収量に及ぼす除草剤の影響(1999年、2000年圃場試験)
その他
- 研究課題名:乾田直播を軸とした田畑輪換における埋土種子量の低減技術の確立
- 予算区分 :実用化促進(地域総合)
- 研究期間 :平成12年度(平成10~12年)