斑点米カメムシ類による加害時期別の加害痕の特徴
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要約
カメムシ類の加害で発生する斑点米には加害時期別に特徴的な輪郭が生じる。その特徴は加害する種や成幼虫によらず共通である。
- キーワード:イネ、斑点米カメムシ類、加害痕、斑点米、登熟段階
- 担当:中央農研・虫害防除部・虫害防除システム研究室
- 連絡先:電話029-838-8838、電子メールthiroaki@affrc.go.jp
- 区分:共通基盤・病害虫(虫害)
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
斑点米カメムシ類による斑点米はイネの登熟期間中様々な時期に生じる。そのため多岐にわたる斑点米防止対策が必要となり、複数回の薬剤散布が必要な場合もある。登熟期間の中で斑点米が主に生じる時期が分かれば、防除時期、防除方法の適正化など対策の重点化、効率化が可能となる。そこで斑点米の加害痕の形状を調査して加害された登熟段階によって加害痕の輪郭の形状が異なることを明らかにした。
成果の内容・特徴
- 斑点米の加害痕は輪郭の特徴に基づいて3型に分類できる(図1)。
1)平滑型:滑らかな輪郭。
2)中間型:波状の部分を有する輪郭。
3)ジグザグ型:ジグザグ状で不規則な凹凸を有する輪郭。
- 登熟初期の加害で生じた加害痕は平滑型の割合が高く、ジグザグ型の割合は低い。一方、登熟後期の加害で生じた加害痕は平滑型の割合は低く、ジグザグ型の割合は高い(図2)。
- 以上は主要なカメムシ類4種(クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、イネカメムシ、アカスジカスミカメ)の成虫と幼虫による3品種(コシヒカリ、ひとめぼれ、あきたこまち)の加害痕において共通である。
成果の活用面・留意点
- 斑点米の加害痕の3型の比率は、加害時期の推定法確立のための資料として利用できる。
- カスミカメ類では登熟段階と加害痕の位置との関係が知られており、本成果と組み合わせると精度が高い加害時期の推定が可能となる。
具体的データ


その他
- 研究課題名:発生予察を利用した主要害虫防除技術の実証
- 予算区分:IPM
- 研究期間:2001~2002年度
- 研究担当者:竹内博昭、渡邊朋也、石崎摩美、鈴木芳人