MetBrokerに対応した葉いもち感染好適日推定プログラムJava版MetBLASTAM

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要約

葉いもち感染好適日推定プログラムBLASTAMをインターネットからWebブラウザで実行できるようJavaアプレット化した。気象データ仲介ソフトウェアMetBrokerを介して気象データを読み込むため、MetBrokerが対応した数多くの気象データベースを利用できる。

  • キーワード:BLASTAM、Java、MetBroker、気象データベース
  • 担当:中央農研・農業情報研究部・モデリング研究室・研究技術情報官
  • 連絡先:電話029-838-7177、電子メールtanaka.kei@affrc.go.jp
  • 区分:共通基盤・情報研究、共通基盤・病害虫(虫害)、関東東海北陸・情報研究
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

MetBrokerはインターネット上の様々な気象データベースに統一的な方法でアクセスするために開発された仲介ソフトウェアである(図2)。MetBrokerを介することにより、データベースのフォーマットを意識することなく、各種の作物生育・病害虫発生予察モデルを利用することが可能となる。葉いもち感染好適日を推定するモデルであるBLASTAMをより広範に手軽に利用するために、MetBrokerを利用できるJavaに移植し、JavaアプレットとしてWebブラウザ上で実行できるようにした。

成果の内容・特徴

  • オリジナルBLASTAMをN88BASICで書かれたコードを参考にJavaに移植した。アプレット(Webブラウザ上で実行できる形式)、アプリケーション(スタンドアローンで実行する形式)のどちらの方法でも実行できる。
  • 気象データは、ユーザ入力データの他にMetBrokerを利用できるようにした。これにより、MetBrokerに登録されているアメダスを初めとした国内の気象データベースだけでなく、世界中の気象データベースを利用できる。データのやりとりに関する短いプログラムであるドライバを開発することにより、各自のデータベースをMetBrokerに登録することもできる。
  • 結果は表、グラフ、地図(図1)で表示することができる。複数地点同時実行をした場合は、感染好適条件の広がりを地図上で確認できる。CSV形式で保存することも可能なので、結果をExcel等で利用することは容易である。
  • Java版MetBLASTAMはインターネットに接続されたコンピュータがあればどこからでも http://cse.naro.affrc.go.jp/ketanaka/model/にアクセスすることで実行できる。

成果の活用面・留意点

  • Webブラウザ上でJava版MetBLASTAMを実行するためには、JRE (Java Runtime Environment 約10MB)をインストールする必要がある。JREは http://java.sun.com/ からダウンロードできるほか、Java関連の雑誌等の付録CD-ROMに納められていることもある。また、MetBLASTAMを実行するときにはセキュリティに関する質問のダイアログが表示されるので、「はい」を選択する必要がある。
  • オリジナルBLASTAMは、感染に必要なイネ葉身の湿潤時間の推定法に気温、降水量、風速、日照時間を用いており、かつ東北地方での再現性を重視したモデルとなっている。現在これら4つの気象要素が利用できるデータベースはアメダスだけである。今後、葉身湿潤時間推定モデルを変更することにより、利用できるデータベースを増加させ、かつ他地域の状況により適合した予測モデルとして改良可能である。
  • MetBrokerに対応していないデータベースのデータをMetBroker経由で利用するためには、専用のドライバソフトウェアを開発し、MetBrokerに登録する必要がある。MetBroker経由で利用する必要がない場合は、CSV形式のファイルとして読み込ませることができる。

具体的データ

図1: MetBLASTAM の実行画面メイン画面と結果

 

図2: MetBroker の概要

 

その他

  • 研究課題名:現場発生情報によって自己修正する柔軟なモデルの開発
  • 予算区分:協調システム
  • 研究期間:2001~2003年度
  • 研究担当者:田中慶、林孝
  • 発表論文等:[モデル実行] http://cse.naro.affrc.go.jp/ketanaka/model/