コンバイン用収量計測・マップ化システム
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要約
稲を収穫しながら収量を検出し、収穫後マップ化するシステムである。作業中に、収量、作業状態、位置情報を同時に取得し、作業後に、刈取り位置と収量検出位置とのズレ補正及び刈幅の算出を行い、収量マップを作成する。必要に応じて作業中に、補正前の簡易的なマップの表示もできる。
- キーワード:水稲収量、作業状態、位置補正、刈幅算出、収量マップ、コンバイン
- 担当:中央農研・北陸水田利用部・作業技術研究室
- 連絡先:電話025-526-3236、電子メールtchosa@affrc.go.jp
- 区分:関東東海北陸農業・北陸・経営作業技術
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
圃場内の収量のばらつきを把握することは、次年度の施肥や管理の方針を決定するうえで重要な情報である。コンバインによる収量のモニタリング手法として、「自脱コンバインタンクへの流入穀粒量の計測法(h13年度成果情報、特願2001-1897049)」を開発したが、収量のばらつきを把握するためには、収穫作業時に収量計測が行われるだけではなく、収量と位置が同時に収集され、刈取り位置と収量検出位置とのズレや刈幅の影響を補正する必要がある。そこで、これらの計測・解析が効率よく行われるシステムを開発する。
成果の内容・特徴
- 本システムのハードウエアは、コンバインに取り付けられた光学式センサ、重量式センサ、作業状態スイッチ、GPS(アンテナおよび受信機)、パソコン、および電源等で構成される(図1)。光学式センサと重量式センサは併用され収量を検出する。作業状態スイッチ(停止、旋回、刈取り、排出など)は、作業状態に応じてデータを分離するために必要であり、オペレータのマニュアル操作により信号を出力する。位置情報はGPSにより取得する。
- 本システムのソフトウエアは、収量、作業状態、位置を同時に計測し、刈取り時のデータを抽出・平均化する情報収集プログラムと、後処理により各種補正を行うデータ解析プログラムで構成される(図1、2)。
- 収穫作業中に収集したデータは、作業状態毎にデータが分離され、任意の刈取り距離毎に平均化される。その結果は、刈取り位置と収量検出位置とのズレや刈幅の影響を無視した簡易マップとして表示できる(図2)。
- 刈取り位置と収量検出位置とのズレを補正し、刈幅を算出して最終的な収量マップを作成する(図2、3)。刈取り位置と収量検出位置とのズレは、連続的に検出された収量を、位置によって決まる定数に従い比例配分することで補正する。刈幅は、GPSから得られる作業軌跡を利用して、隣合う刈取り行程間の距離から算出する(図4)。
成果の活用面・留意点
- データファイル統合、分割、位置補正の計算で、一部マニュアルによる操作が必要である。補正に必要な定数は、ユーザが決定する。
具体的データ
その他
- 研究課題名:コンバインによる収量計測システムの開発
- 予算区分:軽労化農業
- 研究期間:2000~2002年度(平成12~14年度)
- 研究担当者:帖佐直、柴田洋一、大嶺政朗、小林恭
- 発表論文等:1) 帖佐ら(2002)農機誌64(6):145-153
2) 帖佐ら(2002)プログラム著作物登録:P号7434号-1