簡便な労働集計のための携帯情報端末を用いた作業入力
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要約
職員が多数いる大規模な経営体で労務管理を効率的に行うために、携帯情報端末を用いて作業名、作業時間など作業データを入力する方法。労務管理者は労働集計が容易となる。
- キーワード:土地利用型農業、大規模経営体、労務管理、労働生産性
- 担当:中央農研・農業情報研究部・グリッドコンピューティングチーム
- 連絡先:電話029-838-7176、電子メールaotuka@affrc.go.jp
- 区分:共通基盤・情報研究
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
大規模な農業経営体で、作物ごとの労働生産性を把握するためには、職員が毎日の作業と作業時間を記録しなければならない。
例えばノートに記録したものを後日パソコンで集計するには、データ入力に多大な時間を取られ効率的でない。パソコンで直接データ入力を行うと作業効率が改
善されるが、職員が多くいるような場合には入力のための待ち時間が生じ、改善の余地がある。そこで複数の安価な携帯情報端末を入力装置として採用して作業
データを効率的に入力することを試みる。複数の端末を用意することで職員にストレスなく毎日の作業入力を実行してもらうとともに、携帯電話のシステムと比
較して維持コストが掛からないメリットが望める。
成果の内容・特徴
- 携帯情報端末は小型で手のひらに載せて専用のペンで入力する(図1)。
- データの入力と編集のために、携帯情報端末には3つのソフトウエアがあり(図2)、「作業日誌」は作業入力を行い、「作業編集」作業日誌で選択される作業項目を編集し、「職員編集」は作業日誌で選択される職員名を編集する。
- 作業入力では職員名、作業、作業日、作業時間をリストの項目を選択しながら簡便に入力できる(図3)。
- 入力したデータは職員ごとにリストされ(図4)、入力ミスなどを訂正できる。
- 携帯情報端末の作業データは、データ同期ソフトを用いてパソコンのデータベースへ転送される(図2)。
- 作業データは「分散多圃場生産管理システム」(留意点参照)や表計算ソフトなどで集計できる。別途収量情報を用意できれば作物ごとの労働生産性が計算できるようになる。
- 入力する場所は選ばないため、作業場所で入力が可能である。
- 携帯電話の入力システムと比較して維持コストが掛からない。
成果の活用面・留意点
- 使用できる携帯端末はPalmOSが稼働する機種、パソコンはWindows98以降のOSが動作する機種を使用する。パソコンのデータベースはMS-ACCESS2000である。
- 上記の項目の他、作業を行った圃場名を入力するバージョンもある。
- 本ソフトウエアの入手方法は中央農業総合研究センター研究情報部のサイトから得られる. http://agri-it.narc.affrc.go.jp/
- 分散多圃場生産管理システムは主要研究成果・普及「土地利用型農業の生産管理システム」に紹介されているもので、上記のサイトから入手できる。
具体的データ
その他
- 研究課題名:農業事例ベースの問題解決能力に関する研究
- 課題ID:03-04-01-02-10-03
- 予算区分:交付金、軽労化、協調プロ
- 研究期間:2001~2003年度
- 研究担当者:大塚彰、菅原幸治
- 発表論文等:1) Otuka and Sugahara (2003) Agricultural Information Research, 12(2):95-104.