表計算ソフトによる育種栽培試験データ共有システム
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要約
全国の試験場等で表計算ソフトを用いて日常的に管理している育種・栽培試験データを簡単にサーバに登録し、関係者の間で共有し有効利用することを実現するサーバ型グループウエアである。
- キーワード:Webサービス、データグリッド、データ有効利用、データマイニング
- 担当:中央農研・農業情報研究部・グリッドコンピューティングチーム
- 連絡先:電話029-838-7026、電子メールsnino@affrc.go.jp
- 区分:共通基盤・情報研究、作物・稲、作物・夏畑作物
- 分類:科学・普及
背景・ねらい
毎年、膨大な育種・栽培試験データが蓄積され、試験研究に供されている。最近は、それらデータを表計算ソフト等で管理することも一般化したが、簡単に全国的レベルで共有・統合化しデータマイニング等に利用できるような環境にはない。本研究では、全国の農業試験場等で日々表計算ソフトを用いて管理される育種・栽培試験データを、特別な操作を加えずに関係者の間でデータの相互共有を可能にするグループウエアを開発する。
成果の内容・特徴
- 各地に表計算ソフトで管理される育種・栽培試験データをインターネットから簡単にデータベースに登録し、関係者間で相互利用できるサーバ型のグループウエアをJ2EE (Java 2 Enterprise Edition)環境で開発(図1)。このグループウエアはデータ管理、データ更新、データ検索機能を提供する。全機能はWebアプリケーションまたはSOAP/Webサービスとして提供する。SOAP/Webサービスを利用して、共有データを活用する応用プログラムをBasicなど農学系でも利用者の多い言語でも開発できる。
- Webアプリケーション(図2,3)で各農業試験場等から表計算ソフトのファイルをそのままグループウエアに登録し、全国の仲間の間で共有して利用することができる。また、SOAP/Webサービスの機能を利用して表計算ソフト(Excel2000以降)から直接データをこのグループウエアに登録することもできる(図4)。
- 各地で管理する表計算ソフトデータの中で、このグループウエアに定義されていない項目名があってもかまわない。また、項目名の順序も統一する必要はないなど、試験場間で表データの形式を完全に揃える必要は無い。
- 全国20程度の農業試験場の総計1万件程度の栽培試験データを本システム適用して試験運用したところ、表計算ソフトで日常的なデータ入力・修正作業を行いながら、特別な知識が無くても、簡便に複数の試験場間でデータ共有が実現することを確認した。
成果の活用面・留意点
- サーバ側はオープンソースソフトウエアのみで運用できる。確認済み動作環境はJBOSS3.2.2 (http://www.jboss.org/) , PostgreSQL7.2である。また、Excel(Excel2000以降のみ)をクライアントとして直接システムにアクセスする場合はOffice XP Web Services Toolkit 2.0 または SOAP Toolkit 3.0がクライアント側に必要である。
- 試験運用中のサンプル版の試用に関しては担当者まで連絡をする。
具体的データ



その他
- 研究課題名:分散する不斉一な育種栽培試験データのグリッド技術による仮想統合・利用環境の創出
- 課題ID:03-04-04-01-09-04
- 予算区分:科研費
- 研究期間:2004~2006年度
- 研究担当者:二宮正士、山川敦之
- 発表論文等:1) Ninomiya and Yamakawa(2004) Proc. AFITA/WCCA2004:428-432.