カメラを内蔵しカスタマイズが容易な標準型フィールドサーバ
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要約
保守及び製作が容易な構造に改良された標準型フィールドサーバは、内蔵のカメラで作物の生育モニタリングや圃場の監視等ができる。構成部品は世界中どこでも入手可能な標準品であり、各機器への電源供給は12Vに標準化されている。外付け太陽電池や計測機器等はフィールドサーバの下部に積層的に接続でき、限られたスペースに設置可能である。
背景・ねらい
フィールドサーバには、圃場等において無線LANによるインターネット接続を行う機能と生産現場をリアルタイムにモニタリングするセンサネットワーク機能がある。近年は、盗難防止のためのカメラによる監視機能、センサ・太陽電池などを簡便に追加・変更できる機能、寒冷地や砂漠等の極限環境での使用など様々なニーズが出てきている。従来のフィールドサーバはこういった多様なニーズに対応できなかった。また、量産に適していないためユーザが自作する必要があり、製作には1台あたり3~5日かかった。そこで、カスタマイズ製作とメインテナンスが容易なフィールドサーバを開発するとともに、構造及び部品の標準化を行い拡張性の向上を図る。
成果の内容・特徴
- フィールドサーバの新型ケースは標準のアクリルパイプ及び円板で製作でき、カメラを内蔵するとともに構造のカスタマイズが容易である。PC標準パーツのファンとエアーフィルタが搭載され、防塵性が高い。センサや電源のコネクタは海外でも入手が容易な標準品に統一され、信号線等の結線は市販のセンサ(ECHO土壌水分センサ)等で採用されている業界標準に対応している。これらにより、カスタマイズ及びメインテナンスが容易となり、サイズ・機能の異なるカメラへの対応や無線LAN基板をメッシュネット対応基板(シスコ社製Linksys無線LANルータ+ThinkTube社製ソフト「MeshCruzer」)に変更することができる(図2、図4)。
- フィールドサーバを常時稼働させるための大型太陽電池やケース内に収容できない装置類はフィールドサーバの下部に積層して複数設置できる(図3、図4)。小型の太陽電池を複数積み重ねることで発電量を保ったまま設置面積を減らすこともできる。また、熱画像カメラ、害虫カウンタ等の計測機器をフィールドサーバ下部に接続することができる。
成果の活用面・留意点
- 本研究成果に基づいたフィールドサーバは(株)イーラボ・エクスペリエンスから研究用として市販されている(http://www.elab-experience.com/)。また、松下電工は一般用途向けに市販を開始する予定である。
- フィールドサーバのデータ収集は中央農研のフィールドサーバ・エージェントがインターネット経由で行っている。ユーザの使用目的が農業研究と無関係の場合、フィールドサーバ・エージェントを別途、用意する必要がある。なお、フィールドサーバ・エージェント及びWebサーバを内蔵したLinux PCが市販される予定であり、フィールドサーバとセットで利用すれば、インターネット接続できない地域やネットに関する知識がないユーザでも利用できる。
具体的データ


その他
- 研究課題名:フィールドサーバによるマルチ・センサーネットワークの開発
- 課題ID:03-04-03-01-07-04
- 予算区分:協調システム
- 研究期間:2004~2005年度
- 研究担当者:平藤雅之、深津時広、木浦卓治、胡 浩明
- 発表論文等:特願2004-064005、平藤雅之、深津時広、胡 浩明、
ソーラーパネルの実装構造及びソーラーパネルの実装方法