消費者意識を考慮した地産地消活動のポイント
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要約
地産地消活動を進める上でのポイントは、直売所だけでなく量販店の直売コーナーまで視野に入れた販売活動を充実させること、消費者に対して地域農産加工、学校給食、および食農教育に関する諸活動のプロモーションを強化することである。
- キーワード:地産地消、アンケート調査、直売コーナー、プロモーション
- 担当:中央農研・経営計画部・マーケティング研究室
- 連絡先:電話029-838-8851、電子メールooura@affrc.go.jp
- 区分:共通基盤・経営
- 分類:行政・参考
背景・ねらい
近年、全国各地で地産地消の気運が高まりつつある。しかし、地産地消に関して、どのような取り組みがどの程度実施されているのか、また、地産地消に対して消費者がどのような点を期待しているのかについては十分に把握されていない。そこで、全国の農業改良普及センターを対象としたアンケート調査(回収数:326、回収率:72.8%)、および、調査会社の消費者モニター(首都圏および関西圏在住の1,077人)を対象としたWEBアンケート調査を実施し、それらの調査データを用いて地産地消を進める上でのポイントを明らかにした。
成果の内容・特徴
- 現在、地産地消に関連する活動としては、「直売所」「地域農産加工」「学校給食への地元産食材供給」「食農教育」が9割程度の普及センター管内で取り組まれており、四大活動となっている。これらに次いで多いのは「食農イベント開催」「家庭菜園」「観光農園」で、8割程度取り組まれている(図1)。
- 消費者が地産地消活動に期待している点としては、「新鮮で美味しい・旬の・安全な・安い農産物」「量販店内における地元農産物コーナーの設置」「農産物直売所の設置」など高品質な農産物を求め、かつ、それを直接購入したいという期待が高い。それに比べて、イベント等による交流活動、地元加工メーカーや飲食店の地元農産物の利用に対する期待はやや低い(図2)。
- 現在取り組まれている地産地消に関連する活動と消費者が地産地消活動に期待している点を照らし合わせてみると、消費者が最も期待している販売面については、「直売所」の整備は進んでいるものの、「量販店内の直売コーナー」の整備がやや低い状況にある。また、取り組みの進んでいる「地域農産加工」「学校給食への地元産食材供給」「食農教育」に対する消費者の期待はやや低い(図3)。
- 地産地消活動を進める上でのポイントとしては、直売所だけでなく量販店の直売コーナーまで視野に入れた販売活動を充実させること、消費者に対して地域農産加工、学校給食、および食農教育に関する諸活動の内容や意義を理解してもらえるようなプロモーションを強化することが重要である。
成果の活用面・留意点
- 地産地消活動における推進プラン作成などの基礎資料として有効である。
- 全国の農業改良普及センター等を対象としたアンケート調査データは、農業改良普及センター等の職員が把握している範囲であることを留意する必要がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:地域食材に関するTPO別消費者ニーズの解明
- 課題ID:03-03-03-01-06-04
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2003~2005年度
- 研究担当者:大浦裕二、佐藤和憲(総研4チーム)、河野恵伸、柴田静香(総研4チーム)、横山繁樹(機構本部)、
小野 洋(機構本部)、網藤芳男(近中四)、内藤重之(大阪府)