病害発生予測情報のRSS自動配信システム
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要約
既存の病害発生予測モデルを定期的に自動実行し、取得した予測結果をRSSにして配信するシステムである。利用者は、対象の病害と地域に対応するRSSのURLをRSSリーダーに登録することでRSSを自動取得し、最新の病害発生予測情報を入手できる。
- キーワード:RSS、情報配信、病害発生予測モデル、プログラム自動実行、WWW
- 担当:中央農研・フィールドモニタリング研究チーム
- 連絡先:電話029-838-8973
- 区分:共通基盤・情報研究
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
これまでに、多くの病害に適用可能な病害発生予測モデルのプログラムを開発している(平成15年度共通基盤研究成果情報)。この
プログラムはWeb上で公開されており、任意の地域や期間を選択して実行できるが、病害防除の適期を判断するために利用するには、日常的にプログラムを実
行して最新の病害発生予測情報を得る必要がある。利用者による最新情報の入手を簡便化するため、病害発生予測モデルを定期的に自動実行し、取得した予測結
果をRSSにしてWeb上で情報配信するシステムを開発する。ここでRSS(RDF Site SummaryまたはReally Simple
Syndication)とは、Webサイトの更新情報を簡単にまとめて配信するための文書形式のことである。利用者はパソコンや携帯電話上でRSSリー
ダーというソフトウェアを利用し、特定のサイトのRSSを登録することで、その更新情報を自動的に入手できる。
成果の内容・特徴
- 本システムは、Webサーバ上で作動し、病害発生予測モデルのプログラム(Java
Servlet)に定期的にアクセスして自動実行するプログラム、取得したXML形式の予測結果を格納するデータベース、一般利用者用のRSS・HTML
情報配信インターフェース、情報管理者用の配信情報設定インターフェースから構成されている(図1)。
- 一般利用者(生産者等)はRSSリーダーを用いて、対象の病害と地域についてのRSSを登録することで、最新の病害発生予測
情報を自動取得できる。RSSリーダー上で、取得したRSSの更新情報一覧でいずれかの日付をクリックすると、その日付における詳細な予測結果(時別の感
染程度等)が記載されたWebページが表示される(図2)。なお、一般的なWebブラウザのInternet Explorer 7やFirefox 2などにはRSSリーダーの機能があるため、通常のパソコンで本システムを容易に利用できる。
- 情報管理者(研究者や普及員等)は、配信情報設定インターフェースを利用して、病害発生予測を行う対象地域の気象観測地点、ならびに更新間隔日数を設定する(図3)。その設定にしたがって予測情報を取得し、RSSおよびWebページが自動生成される。
- 本システムは、病害発生予測モデルを運用しているWebサーバにWeb経由でアクセスするため、他の複数のサーバで本システムを運用することが可能である。
- 電子メールで情報配信する場合と比較して、RSS配信では利用者登録をする必要がないため、情報管理者は多くの一般利用者を対象に情報提供できる。
成果の活用面・留意点
- 本システムは現在、中央農研内の研究用Webサーバにおいて、主にコムギ赤かび病の発生予測情報の配信を目的として試験運用している。
- 病害発生予測モデル以外のプログラム(生育予測モデル等)についても、本システムの配信情報設定インターフェース等をカスタマイズすれば適用可能である。
具体的データ


その他
- 研究課題名:フィールドサーバの高機能化と農作物栽培管理支援技術の開発
- 課題ID:222-a
- 予算区分:委託プロ(食品)
- 研究期間:2006~2010年度
- 研究担当者:菅原幸治、田中慶