天敵情報のトップポータル「天敵Wiki」
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要約
オープンソースのWebを利用した共同文書編集プログラムを利用して、天敵関連の情報を利用者が自由に書き込み・編集できるWebサイト「天敵Wiki」を天敵カルテに追加した。独自拡張により、他のページとの関連を記述でき、関係を一覧することができる。
- キーワード:天敵、IPM、Wiki、語彙収集、オントロジー
- 担当:中央農研・データマイニング研究チーム
- 連絡先:電話029-838-7026、電子メールkiura@affrc.go.jp
- 区分:共通基盤・情報研究
- 分類:研究・参考
背景・ねらい
広義の天敵カルテは天敵を利用する人間とそれを繋ぐための情報システムの総体であり、その一部としてWebで天敵利用情報を一定の書式で収集・共有するシステム(狭義の天敵カルテ, http://www.tenteki.org/)
を含んでいた。しかしながら、一定の書式での事例を十分に集めることはできなかったため、より柔軟に天敵利用やIPM関連の情報を共有するための方法が必
要となっていた。そこで、インターネットでの共同文書編集環境であるWikiを利用して、広義の天敵カルテに「天敵Wiki」を追加して、機能の充実を行
う。クリエイティブコモンズによるインターネット百科事典「Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/)」と異なり、天敵・IPMに特化した専門サイトを構築する。また、集まった語彙を利用して天敵・IPM関連のテキストマイニングやデータ統合に必要となるオントロジーの構築基盤にする。
成果の内容・特徴
- 天敵WikiはPukiWiki(http://pukiwiki.sourceforge.jp/)を利用して2004年12月に設置された(図1)。「天敵」で主要な検索サイトを検索するとトップ3内に表示され、農業分野では天敵のトップサイトであり利用も多い(図2)。
- 多くのページはメンバー以外でも編集可能であるとともに、情報の提供を行いやすいようにWeb掲示板風のページも多く用意されている。
- 全てのデータは原則公開されており、利用者は情報を自由に利用できる。
- 天敵Wikiを含む天敵カルテ全体の運用に関する方針は、天敵Wikiのページ「天敵カルテ戦略ルーム」にて公開で議論し決定されるため、誰でも参加できる。
- 天敵Wikiでは、独自に開発したコードにより機能が拡張されており、ページと他のページの関連や、ページが持つ「よみ」や「英語名」などの属性が記述できるようになっている。関連や属性などでページを一覧できるとともに、関連を用いてページの階層構造を生成できる(図3)。
- 天敵Wikiは無償のソフトのみで構成され、かつ、サーバ仮想化技術を利用しているためシステムの複製・移動が簡単にできるようになっている。
成果の活用面・留意点
- 天敵Wikiの内容は、天敵利用の専門家がチェックしているが、無保証である。
- 関連や属性については、オントロジーの生成に利用可能。
- 天敵Wikiと同様のシステムは、その他の分野でも利用することができるが、Webアプリケーションの運用・管理が必要である。
- ページの内容は専門家による記述・チェックが必要であり、専門家と組む必要がある。
- 拡張機能は天敵Wiki専用ではなく、PukiWiki 1.4.7に若干の修正を加えるだけで利用できる。
- システムの改良や応用プラグインの開発は次年度以降も行われる。
具体的データ



その他