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国内に発生する日本型雑草イネの多くは、自然脱粒性を持ち、脱粒性遺伝子qSH1が機能型の塩基配列である。一方、脱粒性遺伝子sh4は非機能型の塩基配列である。
雑草イネは、世界各地の水稲栽培地域、特に直播栽培地域で発生が問題となっている。日本では、多様な形態を持つ玄米が赤色の雑草イネと、形態が栽培品種に似た玄米が白色の雑草イネが発生している。国内に発生する雑草イネの多くは、日本型で自然脱粒性を持つ点で共通している。一方、イネの脱粒性に関わる遺伝子はQTL (Quantitative trait locus) 解析により、第10染色体を除く全ての染色体上にあると推定されており、これまでに、第1染色体からは離層形成に関わる遺伝子qSH1(Konishi et al. 2006)、第4染色体からは自然脱粒性に関わる遺伝子sh4(Li et al. 2006)が単離されている。それらの遺伝子が機能するか否かは、特定の塩基配列の多型性(Functional nucleotide polymorphism、FNP)により判定できる。国内に発生する雑草イネの脱粒性メカニズムを解明するために、上記脱粒性遺伝子のFNPを明らかにする。